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花森安治 「戦争犯罪人」と「暮しの手帖」

「暮しの手帖」を創刊した名編集者・花森安治(1911〜1978)。おかっぱ頭にスカートという独特の外見とともに、政府や企業を鋭く批判する反骨精神で知られた。長女の土井藍生氏が、父の思い出を語る。

花森氏 ©文藝春秋

「暮しの手帖」は終戦の3年後に創刊されました。NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」のモデルとなった大橋鎭子さんが社長、父が編集長でした。衣食住の生活情報が中心で、企業広告を掲載せず公平な目で評価する「商品テスト」も話題でした。まさに、戦争体験を元にした父の強い思いを形にした雑誌でした。

土井氏(筆者提供)

 父は東京帝国大学を卒業した1937年、召集令状が届いて陸軍に入りました。北満州で過酷な軍隊生活を送るうちに、肺浸潤(肺結核の初期)を患った。父は戦地のことは何も語りませんでしたが、「同じ帝大卒の軍医が親身に診てくれたから帰国できた」とだけ話していました。

花森氏 ©文藝春秋

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