短歌|寺田信子
薔薇を仰ぐ
壁面に薔薇を咲かせるお宅から束でいただく今年二度目の
この町のばらの名所のような家自転車止めて仰ぐ人あり
からくりの玩具のように足動く子犬に会えり人に連れられ
西からの直射日光に照らされて主を待つか自転車の群
涸びたる花びら指で払いやる散るのが苦手なゼラニウムの花
ひな子という同級生ありしこうして健在ならばやっぱり米寿
お釣り貰い帰りかけるを止められて肉の包みをぬっと渡さる
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