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W杯女性初審判! ピッチで頭真っ白 山下良美

スタジアムの炎、風、匂い……。ただただ圧倒されました

 昨年12月9日にカタールから帰国後も慌ただしい日々が続いていました。最大のイベントは、2週間後に行われた「一級審判員」の体力テスト。これにパスしなければ、2023シーズンの試合の割り当てを受けることができないため、帰国後もトレーニングを続けていました。

 毎年2回行われるこのテストでは40mを6秒以内で六本走るスプリントテストと、75m走を15秒以内+25mを18秒で歩くのを40セット行うというインターバルテストがあります。なかなかハードですよね。今回は余裕をもって合格できて、いまは、晴れ晴れとした気持ちです。

 昨年11月23日、W杯の審判員として、ベルギー対カナダの試合で初めてピッチに立ちました。W杯で女性が審判員に選ばれるのは史上初めてのこと。本当に光栄です。

昨年8月に女性初のプロ契約をJFAと結んだ山下氏  Ⓒ文藝春秋

 試合直前、頭に思い浮かんだのは、女子サッカーの道を切り開いた先輩や、応援してくれる仲間、家族の顔。感謝の思いや、周りの人のいろんな思いを背負ってピッチに立とうと決めていました。

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