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大座談会 これが日本の生きる道 東浩紀×先崎彰容×中野信子×成田悠輔×三浦瑠麗

“醜い平和”を選ぶべき」「GDP幻想を捨てろ」「若さより成熟を」──
/東浩紀(批評家・作家)×先崎彰容(批評家)×中野信子(脳科学者)×成田悠輔(経済学者)×三浦瑠麗(国際政治学者)、司会・新谷学 本誌編集長

 新谷 本日の座談会のテーマは、「目覚めよ!日本」ということなんです。ここに私が込めた気持ちを簡単にご説明させていただくと、この30年間、日本は時計の針が止まっている状況が続いている。企業は成長しない、賃金は上がらない、政治も体たらく。しかもその低迷がまだ続きそうだと。なぜこのような「失われた30年」が続くのかと考えたときに、やはりこの国は厄介な問題や、面倒くさいけれど大事な問題を、正面から向き合わずに、みんな見て見ぬふりで先送りし続けてきた。その結果なのだと痛切に感じています。「目覚めよ!日本」というのは、もうこれ以上、問題の先送りをやめて、とにかくテーブルの上に乗せて、みんなで真面目に考えてみましょうと。どうすればこの国を守ることができるのか、どうすれば経済は上向くのか。賃金は上がるのか、政治はよくなるのか。文藝春秋がその1つの起点になりたいという思いを込めて、今日はこのテーマを議論していただくのに最適な方々にお集まりいただきました。ぜひ自由闊達に気兼ねなくご発言いただきたいと思います。

 まずは話題の「防衛費問題」を入口に始めましょうか。

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