きんさん・ぎんさん 別人のように元気に
「どこでみつけたのですか、あのお二人」
きんさんぎんさんのテレビCMがヒットしていた頃、多くの人から浴びせられた質問。「極秘」と口に指を当てていたが、胸中、「NHKテレビ午後9時からの全国ニュースを見る人はそんなに少ないのかよ」。
1991年9月15日の敬老の日、NHK名古屋発のニュースにうつし出されたお二人は来年、百歳になるという。
翌朝、契約している広告代理店に電話をかけて弊社担当の浅野さんを呼び出した。電話口に出たかれの最初のひと言が今も記憶に残っている。「きんさんぎんさんでしょ」
予想通り「通販生活のテレビCMに出ていただけませんか」というお願いに、ご家族はけんもほろろ。「年寄りの親をCMに出してお金をかせぐ子どもと思われます」
「だったら出演料をそっくり地元の自治体に寄附されるとか」
そんなこんなで、やっとOKに。
ここから先は
341字
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju
文藝春秋digital
¥900 / 月
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…