見出し画像

いじめの定義がわからない教師たち 尾木直樹

文・尾木直樹(教育評論家)

尾木直樹氏 ©共同通信社

 いじめの問題は、いまだに学校現場に深く根を張っています。2021年度に認知された件数は、小・中・高等学校、特別支援学校をあわせて約61万5000件となり、過去最多を記録しました。このうち命の危険や不登校につながった疑いのある「重大事態」の件数は約700件です。最近はタブレットが一人一台になり、スマホも普及したことで、SNSを通じた事案も増えています。

 2021年2月に、北海道旭川市で女子中学生が亡くなった事件は記憶に新しいですが、いじめによって自ら命を絶つ子供も少なくありません。学校現場にとってもっとも大事なのは、子供たちの命、安全と安心です。そのような場で「人として当たり前に生きる権利」が奪われることはあってはなりません。

ここから先は

1,456字 / 1画像
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju

文藝春秋digital

¥900 / 月

月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…

「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了しました。今後は「文藝春秋 電子版」https://bunshun.jp/bungeishunju をご利用ください