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近藤康太郎 世紀の奇書『神聖喜劇』

文・近藤康太郎(作家・評論家・新聞記者)

 愛読書はなにかと聞かれ、ほんとうに正直に答えるならば、それは「リスト」であると言うほかない。「必読〇〇」とか、「××の古典100冊」と銘打ったような、あのリストである。
 
 LPを集めるのが昔から趣味で、ロックやソウルの名盤リストを片手に、レコード店巡りをしている。まだ聴いていないレコードの音を、解説文を読みながら想像する。足で稼いで、苦労して探しあてる。ターンテーブルにのせる。針を下ろし、音が鳴り出す。リストに赤丸をつける。目をつむる。コレクターなら分かってくれる。至福の時である。

近藤康太郎氏(本人提供)

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