老いるショックと射精道 みうらじゅん×今井伸
思春期から中高年までに向けて、射精についての知識と心構えを解説した話題の本『射精道』(光文社新書)。その著者で泌尿器科が専門の今井伸医師と、「週刊文春」で「人生エロエロ」を連載中のみうらじゅん氏が、性の目覚めから、中高年の性生活までを語りつくす。
今井 これ、お土産です。浜松の「夜のお菓子」。ブランデーを使った最高級のVSOPです(笑)。
みうら 出た! うなぎパイ(笑)。ありがとうございます。今井さんは浜松の病院で、性機能障害や男性更年期の診察をなさっておられるんですよね。
今井 はい。今回は愛読しているみうらさんの本も持ってきました。
みうら ご著書のあとがきに「人生の2分の1は性的なことを考えて生きてきました」と書かれていたので、当然、「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた」で始まる僕の連載は読んでくださっていると思っていたんですが(笑)。
今井 昔からガチのファンなんです。
みうら どうも。ところで今井さんの『射精道』を拝読し、意外な共通点があることが分かったんですよ。ほら、思春期のころ、オナニーのあと、ティッシュを五右衛門風呂の火で燃やしていたと書いておられたとこ。実はうちの実家も昔、五右衛門風呂だったんです。
今井 そうなんですか!
みうら 僕の場合はエロ本が親に見つかると、五右衛門風呂の火にくべさせられたんですけどね。その後、「エロくべ風呂」に浸るのがとても辛くて(笑)。
今井 私も寝床の下に隠した『みんなあげちゃう』という、ちょっとエッチな漫画を見つけられたことがありますよ。
みうら 初期は大体、そこに隠しますよね。でもすぐに捜査の手が入る。
今井 そうでした(笑)。ありがたいことに、両親は問いつめたりしなかったので、その後は「週刊プレイボーイ」から、「アップル通信」「デラべっぴん」など、興味のおもむくまま集めて、部屋にある段ボールの中に隠してました。
性に目覚めたころ
みうら エロ&ピースな家庭で羨ましい(笑)。僕はよくオナニーが親に見つかりましてね。「そんなとこイジってばかりいると、バイ菌が入って、しまいにはウミが出るぞ」と、脅されたもんです。
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