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私はなぜ死刑囚の養子になったか 小野一光

4人殺害の実行犯が塀の中で求めた関係/文・小野一光(ノンフィクションライター)

北村孝紘死刑囚 ©筆者提供

 現在、死刑囚という立場にある人物が、養子縁組をした親族との“外部交通”を妨害されたとして、国を相手どった裁判を起こしている。

 原告の名は「C(原文実名)孝紘」。このCは、彼が養子となった相手の苗字。旧姓は北村であり、事件発生時の氏名は北村孝紘だった。

 孝紘は04年9月に福岡県大牟田市で発生した「大牟田連続4人殺人事件」の犯人の1人で、確定死刑囚として福岡拘置所に収容されている。

 この「大牟田連続4人殺人事件」は、暴力団「北村組」を率いる北村家の父、それに母、長男、次男という家族4人で、知人母子3人と息子の友人の計4人を殺害し、全員に死刑判決が下されたという、前例のない特異な事件だ。北村家の次男である孝紘は、犯行当時20歳3カ月で、被害者4人全員を自らの手で殺めた実行犯。私は一審判決前から孝紘と面会をするようになり、長年にわたって交流を続けてきた。

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