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名品探訪17 名作椅子、5つの視点

椅子の価値とは、何をもって測るべきか? そして、どう選ぶべきなのか?今回はそんな疑問に答えるべく、5つのポイントから名作椅子を選び抜いた。
構成=山下英介、写真=長山一樹(S-14)、スタイリスト=土屋大樹

トーネットの 「No.209」
無垢材を蒸気で曲げる加工技術と量産システムを19世紀半ばに確立した、ドイツのトーネット社。ウィーンチェアとも呼ばれる「No.209」は、わずか6つのパーツから構成された簡潔なフォルムで建築家のル・コルビュジエにも愛された、モダン家具の礎。¥209,000(フレイス ☎03-6550-9212) ※写真右は同モデルのヴィンテージで、長山一樹氏の私物

写真家にして椅子愛好家・長山一樹が美しき椅子に向ける眼差し

 日本を代表するファッション写真家、長山一樹氏。ミッドセンチュリー家具のコレクターとしても知られる彼は、数年前に蒐集品をまとめたギャラリーのような撮影スタジオをつくってしまったほどの筋金入りだ。

「多くの人は椅子をぱっと見や座り心地で選びがちですが、それだけでは不十分です。後ろから眺めることの多いダイニングチェアなら背面のデザインが重要ですし、ときにアームは邪魔になる。長時間座る椅子と、パッと座る椅子では、求められる機能や美しさは違うのです」

 そこで今回は、世界中の椅子に座り、撮影してきた長山氏が名作椅子を厳選。当代きっての写真家が5つの視点から捉えたその美しさを、じっくりと堪能してほしい。

ながやまかずき 1982年生まれ。雑誌や広告界のトップクリエイターとして活躍する写真家。ヴィンテージ家具や葉巻、紳士服などへの造詣も深く、椅子コレクターとしても有名

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