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藤原正彦 ケーニヒスベルクの橋 古風堂々46

文・藤原正彦(作家・数学者)

 私が六歳の時、日米親善ということで米大リーグ3Aのサンフランシスコ・シールズが日本に来た。満州引揚げ後の貧しさで幼稚園に行けず、中央気象台官舎に残る焼け跡で遊び暮らしていた私を、父が後楽園での対巨人戦に連れて行ってくれた。外野席切符二枚が無料で手に入ったのである。私は三番青田や四番川上に大声援を送ったが、巨人は惨敗した。

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