文藝春秋digital
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「月あたり450円」から利用できる「文藝春秋 電子版」https://bunshun.jp/bungeishunju をご利用ください)
「私は頼まれて物を云うことに飽いた。自分で考えていることを、読者や編集者に気兼なしに、自由な心持で云ってみたい」。「文藝春秋」を創刊した理由として、作家・菊池寛はこう言いました。つまり、「文藝春秋」とはクリエイターによるクリエイターのための雑誌だったのです。その精神を引き継ぎ、noteクリエイターによるnoteクリエイターのためのマガジンをここに作りました。「#みんなの文藝春秋」でどしどし記事をお書きください。記事の感想でも、コラムでも、小説でも、「文章」であれば、なんでもあり。編集部がピックアップしてこちらにまとめます!
創刊100周年の雑誌『文藝春秋』での名物コーナー「三人の卓子」。読者の皆様からの記事への感想を募集・掲載しています。メールやお手紙で以下までお送り下さい。 規定 600字以内 住所・氏名・年齢・生年月日(西暦)・メールアドレス・職業明記 次号の締切りは20日 掲載の方には記念品をお贈りします。 宛先 〒102-8008 千代田区紀尾井町3-23 文藝春秋編集部「三人の卓子」係 ※電子メールでのご投稿の場合、添付ファイルはお避け下さい。 アドレス mbunshun@bunshun.co.jp
“文藝春秋の顔”というべき筆者たちによる「文藝春秋 digital」オリジナル無料連載をまとめました。三浦瑠麗、門井慶喜、中野信子、出口治明、森功、辻田真佐憲、野口悠紀雄、西寺郷太、麻生幾の各氏が交代で執筆します。
【12月1日配信スタート】毎日、朝晩2本の記事を配信。2021年の日本、そして世界はどうなる? 「文藝春秋」に各界の叡智が結集。コロナ禍で混迷を極める世界を読み解く100本の優れた論考をお届けします。50日後にマガジンが完成します。
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。 「文藝春秋digital」会員の皆さまに大事なお知らせがあります。 本サービスは本年5月末日をもって終了いたします。 今後オ…
関東大震災から帝都東京が復興するスピードと合わせるように、菊池寛と「文藝春秋」は急速に立ち直った。大正13年4月号では発行部数2万部に達し、同年1月から4カ月分の利…
「人類」は、私たちホモ・サピエンスだけを指す言葉ではない。数万年前まで、地球上には複数の人類が共存していた。異なる人類同士は交流していたのだろうか。なぜ他の人類…
群青の海面に、エメラルドグリーンに発光する影が浮かび上がった。影は、うねりが残る海原を悠々と滑るように進んでいく。1頭のニタリクジラを、第三勇新丸が追走してい…
森美術館は、今年10月に開館20周年を迎えます。東京・六本木ヒルズ森タワーの最上層にある当館は、開館以来現代アートを中心に様々なジャンルの展覧会を開催してきました…
もともと文学畑の出身で、その視座から哲学や思想にアプローチしてきた私が、人類学者エマニュエル・トッドの仕事に関心を抱いたのは、1990年代にフランスの論壇における…
昨年末に東京と大阪で「これからの芝浜」と題した独演会を行い、古典落語の芝浜を従来とは大きく変えて演じました。その噂を聞きつけたのか「なぜ変えたのか、芝浜のどこ…
有働 今年4月、主演舞台『おかしな二人』が3年ぶりに再演されるそうですね。ニール・サイモンの傑作コメディ劇で1970年代のニューヨークが舞台です。大地さんが演じるの…
★前回を読む。 ★最初から読む。 乾
「映画監督が作品を撮る時は、たとえ他人の脚本で、自分は撮影をしたり俳優に指示を出したりするだけであっても、その監督自身の人生が否応なくフィルム上に零れ落ちてしま…
前回見たように、最先端の研究によると、健康寿命は延ばせても、最大寿命には「120歳前後」という絶対的な限界があるという。老化と死はあらかじめ遺伝子にプログラムさ…
先崎 ウクライナ戦争や中国の台頭は、いまの世界に「このままのシステムでやっていけるのか」という根源的な問いを突き付けています。プーチンの侵略は欧米中心の国際秩…
日本銀行の新総裁に経済学者の植田和男元日銀審議委員が事実上、決まった。衆参両院の同意などを経て、想定どおりに進めば4月9日に就任する予定だ。 私は1996年から3…
終わってしまった。 今年1月19日、港区虎ノ門で長く愛された立ち食いそば「峠そば」の扉が閉じた。1月中旬、「最後のごま油の一斗缶を使い切ったら閉店」の告知が出る…
群馬県は高崎駅から車で20分。巨大ショッピングモール「イオン高崎」の隣で売上を伸ばし続けるのがスーパー「まるおか」だ。店のモットーは「安全でおいしいものだけを食…
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。 「文藝春秋digital」会員の皆さまに大事なお知らせがあります。 本サービスは本年5月末日をもって終了いたします。 今後オンライン上のサブスクリプションは「文藝春秋 電子版」に一本化してまいります。 これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただいた皆さまには、突然のお知らせになったことをお詫び申し上げます。 昨年12月にローンチした「文藝春秋 電子版」は、本誌記事はもちろん、10年分の過去記事3000本以上が読み放題、
関東大震災から帝都東京が復興するスピードと合わせるように、菊池寛と「文藝春秋」は急速に立ち直った。大正13年4月号では発行部数2万部に達し、同年1月から4カ月分の利益総計1589円のうち700円を原稿料未払いの寄稿家に分配するという余裕まで生じた。 騎虎の勢いに乗った菊池寛は7月特別附録号の巻頭で「文藝講座」という新企画をぶち上げる。これは1カ月1円20銭なりの会費を納入すれば毎月2回講義録が配布され、6カ月で講義終了という形式の通信講座だった。大日本雄弁会講談社の講義
「人類」は、私たちホモ・サピエンスだけを指す言葉ではない。数万年前まで、地球上には複数の人類が共存していた。異なる人類同士は交流していたのだろうか。なぜ他の人類は消え去り、現生人類だけが生き残ったのだろう――。 絶滅した人類のゲノム(全遺伝情報)を解読することでそうした謎に迫ろうとしたのが、スウェーデン出身の遺伝学者、スヴァンテ・ペーボ博士(67)だ。2009年にはネアンデルタール人のゲノムを初めて解読することに成功。そこで明らかになったのは、現生人類が彼らと交配し、私
群青の海面に、エメラルドグリーンに発光する影が浮かび上がった。影は、うねりが残る海原を悠々と滑るように進んでいく。1頭のニタリクジラを、第三勇新丸が追走していた。ニタリクジラは、12メートルから13メートルほどに成長する大型のクジラである。
森美術館は、今年10月に開館20周年を迎えます。東京・六本木ヒルズ森タワーの最上層にある当館は、開館以来現代アートを中心に様々なジャンルの展覧会を開催してきました。私はマーケティング担当として、多くの人に来館いただけるような仕組みを日々考えています。
もともと文学畑の出身で、その視座から哲学や思想にアプローチしてきた私が、人類学者エマニュエル・トッドの仕事に関心を抱いたのは、1990年代にフランスの論壇における彼の特異なポジションに注目してからであり、彼と親しく話をするようになったのは、イラク戦争後の2005年〜10年頃である。
昨年末に東京と大阪で「これからの芝浜」と題した独演会を行い、古典落語の芝浜を従来とは大きく変えて演じました。その噂を聞きつけたのか「なぜ変えたのか、芝浜のどこを変えたのか」を書いてほしいと編集部から御用命を受けました。
有働 今年4月、主演舞台『おかしな二人』が3年ぶりに再演されるそうですね。ニール・サイモンの傑作コメディ劇で1970年代のニューヨークが舞台です。大地さんが演じるのはテレビ局の敏腕プロデューサー・オリーブ。友達のフローレンス(花總まり)との“おかしな”共同生活が描かれています。3年前の公演を拝見しましたが、オリーブのアパートに、毎日、個性豊かな友達が集まりゲームやおしゃべりで盛り上がる。冒頭の女子会からして女子のリアルが詰まっていて、いきなり物語の世界に引き込まれました。
「映画監督が作品を撮る時は、たとえ他人の脚本で、自分は撮影をしたり俳優に指示を出したりするだけであっても、その監督自身の人生が否応なくフィルム上に零れ落ちてしまう。これは自分の意思とは関係なく、どの監督にも起こること。しかし『フェイブルマンズ』で描いているのは、僕の記憶なんだ」 スティーヴン・スピルバーグ監督最新作の『フェイブルマンズ』(全国公開中)が、今年のアカデミー賞主要7部門でノミネートされている。50年にわたるキャリアのなかで、スピルバーグが初めて挑戦した自伝的作
前回見たように、最先端の研究によると、健康寿命は延ばせても、最大寿命には「120歳前後」という絶対的な限界があるという。老化と死はあらかじめ遺伝子にプログラムされており、老化した細胞にもがん細胞の増加抑制などのメリットがあることがわかってきた。また、「寿命の延長」と「生殖」は二律背反の関係にあり、アンチエイジングのためには生殖を諦めなければならない可能性もあることが見えてきた。 だが、地球上には長寿と生殖を両立させている生物も存在する。今回はそのような生物の研究の最前線
先崎 ウクライナ戦争や中国の台頭は、いまの世界に「このままのシステムでやっていけるのか」という根源的な問いを突き付けています。プーチンの侵略は欧米中心の国際秩序への明らかな反抗ですし、インフレの加速で資本主義経済は世界的に低迷している。民主主義の優等生で、資本主義のトップランナーであるアメリカでも行き詰まりは顕著です。当然、急成長を続ける中国の脅威にさらされた日本にとっても、今の状況は他人事ではありません。 今こそ少し立ち止まって、日本がよって立つべき理念や、目指すべ
日本銀行の新総裁に経済学者の植田和男元日銀審議委員が事実上、決まった。衆参両院の同意などを経て、想定どおりに進めば4月9日に就任する予定だ。 私は1996年から3年間、日銀の企画課長を務め、このうち98年からは正副総裁と審議委員で構成される金融政策決定会合の運営と、金融情勢をレポートする立場だった。植田氏が審議委員を務めたのは98年から2005年なので、最後の1年は多くの接点があった。
終わってしまった。 今年1月19日、港区虎ノ門で長く愛された立ち食いそば「峠そば」の扉が閉じた。1月中旬、「最後のごま油の一斗缶を使い切ったら閉店」の告知が出ると、名残を惜しむお客が引きも切らず。私が駆けつけたのは20日昼だったが、ひと足遅かった。 呆然と立ちすくみ、扉に貼られた手書きの挨拶文を読む。閉店の理由は、界隈の地域再開発。汐留、神保町、虎ノ門それぞれの土地で親子二代が「育てて」もらった感謝が綴られ、さらに末尾。 「心残りはいつもお世話戴いてますご常連様が
群馬県は高崎駅から車で20分。巨大ショッピングモール「イオン高崎」の隣で売上を伸ばし続けるのがスーパー「まるおか」だ。店のモットーは「安全でおいしいものだけを食卓に届ける」。半世紀以上にわたり小売業を続ける丸岡守社長を、小説やエッセーで食や料理を描く作家の角田光代さんが訪ねた。