『論語』(後編)|福田和也「最強の教養書10」#6
人類の栄光と悲惨、叡智と愚かさを鮮烈に刻み付けた書物を、ひとは「古典」と呼ぶ。人間知性の可能性と限界をわきまえ、身に浸み込ませることを「教養」という。こんな時代だからこそ、あらためて読みたい10冊を博覧強記の批評家、福田和也がピックアップ。今回は、東洋において広く読まれて、歴史上の人物に多大なる影響を与えてきたこの1冊。(後編)
★前編を読む。
『論語』の原文は二十篇から成っている。篇名は「学而」「為政」「八佾」「里仁」「公冶長」……とあるが、これは各篇の数文字をとってい