なぜ池袋は鉄道の影が薄いのか 門井慶喜「この東京のかたち」#23
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※本連載は第23回です。最初から読む方はこちら。
池袋の街は昭和29年(1954)1月20日に誕生した。もちろんそれ以前にも池袋村などという名前で存在はしていたが、ほぼ純然たる農村だったので、こんにち見るような都会ではなかったのである。
この日はじつは、営団地下鉄(現・東京メトロ)丸ノ内線の開業日だった。池袋ー御茶ノ水間。ということは、この時点では、丸ノ内線なのにまだ丸の内に達していなかったことになるが(のち延伸)、それでも東京では銀座線につづく