美しい生き方|中野信子「脳と美意識」
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自分のように中途半端にメディアに出る仕事をしていると、知らない人から声をかけられるとき、意外なほどの怖さがあることに気づかされる。その人が自分に対して、匿名の存在だからだ。好意的に思われていることが明らかにわかるようであっても、時にはその中に針のように毒が仕込まれていることがある。わざわざこちらを傷つけるために、最初は砂糖菓子やぬいぐるみのようなもの柔らかな態度で近づいてきて、いきなり攻撃的な言葉で切