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文藝春秋digital

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2022年1月の記事一覧

【ダイジェスト版】東浩紀×先崎彰容「2022年の論点」人新世、ポリコレ、新しい資本主義、シラス…

文藝春秋digitalのオンライン対談イベント「東浩紀×先崎彰容『2022年の論点』人新世、ポリコレ、新しい資本主義、シラス…」が、2022年1月17日に開催されました。 《動画はこの記事のいちばん下にあります》 この日のゲストは、2010年に出版社「ゲンロン」を起業、2020年には放送プラットフォーム「シラス」をローンチし、新しい“知の観客”を創出し続けている哲学者の東浩紀さん。対談のホストを務めたのは、『文藝春秋』2022年2月号に論考「『人新世の〈資本論〉』に異議あ

名品探訪④「華のある靴」

履く者の心まで前向きにしてくれる凜とした美しさと、上質な履き心地。今年こそはそんな“華のある靴”をおろし、新しい一歩を踏み出そう。/文=山下英介、写真=渡辺修身、フラワーコーディネート=小路苑 John Lobb(ジョンロブ) 紳士靴の最高峰ブランドが誇るストレートチップ「シティーⅡ」。ドラマチックな陰影を描く上質なカーフレザー、一寸の乱れもない縫製、クラシックなスポーツカーを彷彿させる流麗なフォルム……。スーツスタイルにこれほど似合う靴はない。¥192,500/ジョンロブ

「国家神道に呑み込まれた宗教」保阪正康 日本の地下水脈19

国家神道への隷属の果てに起きた廃仏毀釈の嵐と大本教への大弾圧。/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 「与えられた象徴天皇制」象徴天皇制が大きな曲がり角に差し掛かっている。秋篠宮家の長女・小室眞子さんの結婚が、国民が抱いてきた皇室へのイメージを一変させ、世論の分断も招いているからだ。皇室は戦後長らく国民の融和と統合の象徴であり、国民は皇室に尊崇と敬慕の情を抱いてきた。そうした構図が変わってしまいかねない瀬戸際に、今、私たちは立っている。

マンガ『大地の子』第39話 家|原作・山崎豊子

第39話 家★前回の話を読む。 ★次回の話を読む。 ★最初から読む。

阪急阪神ホールディングス「『小林一三』という求心力」ニッポンの100年企業② 樽谷哲也

「朗らかに、清く正しく美しく」。受け継がれるカリスマの理念。文・樽谷哲也(ノンフィクション作家) 終わることのない新陳代謝銀杏の落ち葉が歩道を鮮やかに黄色く染めている。西の商都たる大阪梅田駅から、昼下がり、阪急電車・宝塚本線に乗る。ゆっくり北上すること40分ほど。終点の宝塚駅に着き、改札口を抜けて外を歩き始めると、着飾った女性たちの姿が明らかに多いことに気づかされる。ジャケットやコート、靴、バッグなど、装いは華やぎ、あるいは落ち着いて、みな上品な色合いである。 華美な趣き

第83回文藝春秋読者賞発表

受賞作「十八歳の日の記録」 田辺聖子 財務次官、モノ申す 矢野康治 第83回読者賞は昨年12月6日、選考顧問の片山杜秀氏、本郷和人氏、三浦瑠麗氏の3名と、弊社社長・中部嘉人が、読者の皆さまの投票結果を踏まえて選考にあたり、右記のように決定しました。 「十八歳の日の記録」は親類によって発見された田辺聖子氏(2019年没)の昭和20年4月から22年3月までの日記で、「文学を感じた。ぜひ受賞すべき」と評されました。 矢野康治氏「財務次官、モノ申す」は、現職の財務次官が「このま

【イベントレポート】文藝春秋物流DXカンファレンス「総合物流施策大綱 全解剖」

文藝春秋物流DXカンファレンス「総合物流施策大綱全解剖」が2021年11月25日(木)、オンラインで開催された。 21年6月に閣議決定された、今後5年間の日本の物流施策の指針となる「総合物流施策大綱(21年度~25年度)」が描く課題と未来を解説。課題の解決、社会経済の変化への対応に欠かせない、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)について考察した。 基調講演(総合物流施策大綱で描かれた未来図)ポストコロナを見据えた物流のあり方 ~物流DXによる担い手にやさしい物流の

【イベントレポート】文藝春秋カンファレンス「ファンとの約束 ~『意味』を売る、『体験』を買う、ブランドエンゲージメントのDX~」

新型コロナウイルスによるパンデミックの影響は、消費者の価値観や行動を大きく変え、それに対する企業活動にも大きな変革の必要性を突きつけている。流通・小売り・サービス業界を中心に、オフラインとオンラインの買い物や体験を統合する動きが加速する一方で、店舗とECの情報がシームレスにつながり、データを融合させることでより最適な購買体験や新しい商品、サービスを提供していくためには、課題も多く存在する。 「ビジネスモデルの変革に伴う意識改革」「全社データの統合による意思決定の高速化、効率

至福の贈り物② 井上荒野

井上さん (撮影・三原久明) 相手の顔が浮かんだら贈りどき お歳暮やお中元など、節目の贈り物はあまりしたことがないんです。ふと、すごく美味しいものに巡り合うと人に伝えたくなる。「あの人はきっと好きだな」と顔が浮かんだときにはじめて贈ることにしています。「おいしい」を分かち合いたくて。 蒸さずに焼く関西風の𠮷塚のうなぎは昔、九州にルーツを持つ母に教わってからすっかり定番に。特別な日や感謝の気持ちを伝えたいときなど、ちょっとリッチな贈り物にぴったりです。斉吉のお惣菜は、た

虫がいない 丸山宗利

文・丸山宗利(九州大学准教授) 私は幼いころから昆虫が好きで、いまは大学の教員として、その研究と図鑑制作などの普及啓発を生業としている。ここ20年くらいは研究の都合上、海外で昆虫の調査をすることが多かったが、昨年は日本産の昆虫の図鑑を作るために、久しぶりに国内のあちこちで昆虫採集をした。 昆虫探しの日々で実感したのは、「虫がいない」ということである。もちろん、まったくいないわけではないが、とにかく数が少ない。いや、少なくなったというのが正しいだろう。私は甲虫というカブトム

2/15(火)13:00〜|文藝春秋×Domo リーダーズカンファレンス「CXを実現する『データ活用』と『デジタルシフト』の最適解」

新型コロナウイルスによるパンデミックは世界経済に多大な影響を与え、企業活動も市場環境に柔軟に対応できる大きな変革が求められています。 特に影響が大きい流通・飲食・小売り・サービス業界では、オフラインとオンラインの買い物や体験の統合、店舗とデジタルの情報がシームレスにつながり、データを融合させることでより最適な顧客体験、新しい商品、サービスを提供していくことであらたな成長機会を創り出す企業も増えてきています。 こうした時代を切り開く企業は、変化に対しどのようにアプローチし、成

【フル動画】菅野(山尾)志桜里×三浦瑠麗 特別対談「弱体化する日本政治の難点 中国外交、皇位継承、クオータ制…」

◆〝分断〟ではなく〝対話〟を 文藝春秋digitalは、2月1日(火)20時〜、菅野(山尾)志桜里さんと国際政治学者の三浦瑠麗さんのオンライン対談イベント「弱体化する日本政治の難点 中国外交、皇位継承、クオータ制…」を開催しました。 《動画はこの記事のいちばん下にあります》 今年2月4日より開催される北京五輪。新疆ウイグル自治区や香港などでの人権弾圧を問題視した欧米諸国は「外交ボイコット」を表明、要人・政府関係者を派遣しないことを決定しています。日本も実質的にボイコットに

冨永愛 ファッションが生き残るために

文・冨永愛(モデル) ファッション業界において、これほど激動の嵐に見舞われた年はかつてあっただろうか。ファッションは以前から環境に対する負荷が問題視されていたが、このコロナ下においてはエシカル志向が急加速したように感じる。「エシカル」とは環境保全や社会に配慮すること。流行しているから、憧れているからというだけでは、もう消費者の心を捉えられず、財布の紐も固くなってしまった。消費が落ち込み、今までのマーケティングやサプライチェーンのあり方では成立しなくなってしまい、改革を迫られ

岩波書店代表取締役社長・坂本政謙 創業の精神

文・坂本政謙(岩波書店代表取締役社長) 岩波書店は1913年、岩波茂雄が立ち上げた古書店を原点として、来年で110年を迎えます。 「文化の配達夫」を自任していた茂雄は、創業の翌年に処女出版である漱石の『こゝろ』を刊行以降、岩波文庫(1927年)、岩波講座(28年)、岩波新書(38年)といった、いまでは一般名詞になっている出版の形態を考案、刊行するなど、進取の精神にあふれた人物でした。 それだけでなく、大変な商売人でもあったでしょう。だからこそ書店は、その存続が危ぶまれる