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文藝春秋digital

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2022年6月の記事一覧

〈新装版〉目耳口 日本全国の美味や逸品を愛でて味わって

極上の静岡産メロンを スペシャルなソルベで各地より厳選した果実を生かすオンライン限定のアイスクリーム専門店。なかでも目を引くのが果実を丸ごと使う芸術的なソルベ。特に静岡のマスクメロン専門店、松香園から仕入れる繊細な肉質と甘みを持つメロンのソルベは贅沢感に溢れ、芳醇な香りと濃厚な果実味を堪能できる、逸品だ。 Melon 松香園アローマメロン(ホール)25,920円 名ホテル直伝の 伊勢志摩の名物料理鳥羽国際ホテルのメインダイニング「シーホース」では、タイの有名ホテル料理人直

【フル動画】成田悠輔×先崎彰容 「『22世紀の民主主義』に希望はあるか」

◆機能不全に陥った「民主主義」 文藝春秋digitalは、7月8日(金)19時〜、経済学者の成田悠輔さんと、批評家の先崎彰容さんによるオンライン対談イベント「『22世紀の民主主義』に希望はあるか」を開催しました。 《フル動画はページ下部にあります》

【フル動画】浜崎洋介×與那覇潤「《紀尾井町床屋政談》ゆでガエル日本『戦後は続くよ選挙後も?』」

◆いま「戦後」と「平成」を問い直す 文藝春秋digitalは、7月5日(火)19時〜、文芸批評家の浜崎洋介さんと、評論家の與那覇潤さんによるオンライン対談イベント「《紀尾井町床屋政談》ゆでガエル日本 戦後は続くよどこまでも」を開催しました。 《ページの下部に対談フル動画があります》 7月10日に投開票が予定されている第26回参議院総選挙。衆院解散がない限り、大型の国政選挙が2025年までなく、今後3年間の日本社会の行方を占う選挙ですが、一部ジャーナリストからは「自民党圧勝

名品探訪 「凜々しき百年時計」

世紀を越えた美意識と機能、そして“物語”を併せ持つ「百年時計」。今回はスポーツウォッチをテーマに、その本質を伝える11本を選び抜いた。/文=山下英介、写真=長山一樹(S-14)、スタイリスト=石川英治(tablerockstudio) LUXURY SPORTS WATCH“ラグジュアリースポーツ” という概念は時代を超越するか? Grand Seiko(グランドセイコー) ゼンマイを動力源にしつつクオーツなみの精度を誇る、セイコー独自の機構「スプリングドライブ」を採用し

7/7(木)14:00~|2025 年の「消費者行動・EC市場」予測 ~ D2CモデルでEC販路を拡大するために必要なこと~

●企画概要政府は去る6月1日より、新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和し、1日当たり1万人の入国者枠を2万人に拡大しました。感染状況が落ち着いている国を中心に、徐々にではありますが、外国人観光客の受け入れが増えていくことで、経済活動の正常化に軸足が動き始めています。こうした中、コロナ禍の生活様式の一変により、多くの企業が強化し、市場が急拡大した物販系ECの動向と今後の消費行動の予測にも注目が集まっています。消費者とのリアルでの接点が減り、オンラインでのコミュニケーションが

【イベントレポート】文藝春秋 100thカンファレンスシリーズ 「支援型リーダー大全」 - 「個」と「組織」の成長を促す心理的安全性と、当事者意識の萌芽 ‐

コロナ禍で加速したテレワークはコミュニケーション不全を生み、部下のマネジメントに悩む管理職が増えている。4月14日(木)に開催された文藝春秋100周年カンファレンスシリーズ「支援型リーダー大全」では、コミュニケーションを活性化させ、社員の自律を促す「心理的安全性」や「サーバント(支援型)リーダーシップ」について、識者や経営者らが考察した。 基調講演「失敗を許容する、恐れない組織のリーダー像」 ~個と組織の成長を促す『感情的信頼』の構築と『心理的安全性』 早稲田大学商学部准

7/26(火)14:00~『売上最小化、利益最大化の法則』著者 木下勝寿氏、『絶対達成シリーズ』著者 横山 信弘氏登壇 ~ 新しい営業戦略 ~

●企画概要新型コロナによる市場ニーズの変化、急速な円安、そして、それに伴う仕入れ価格の上昇は日本経済とビジネス現場に大きな影響を及ぼしています。特に、営業活動においてはお客様との接点が「対面」から「非対面」となり、業績の不透明感も増す中、「経験と勘」から「プロセス化、見える化」へとデジタルトランスフォーメーションの流れを汲んだ変革へと舵を切る企業も増加傾向にあります。 しかしながら、営業戦略や組織づくりのあるべき姿について、具体的なビジョン、そしてゴールが十分検討されないま

詩 野村喜和夫「LAST DATE付近」

LAST DATE付近在りし日に向かってすすむ、私の在りし日に 向かって、あるいは冬の旅、すすむ、薄明の霧の なかに浮かび上がる、稲妻のようにギザギザした枝々を 荒々しいまでに張りめぐらせた裸木と、その向こうの、 どこかで戦争でも始まっているのか、すすむ、炎症性の 箱のような家の、異様に明るい窓と、あふれ出す文字列、 「忘却と死よ、早く通り過ぎてくれ」ときみは言う、 「私の足を速める低い祈りの声」ともきみは言う、 私はすすむ、嵐の情報をまとい、乳房や享年をもくぐり 抜けて、在

俳句 小川軽舟「雨に窓」

雨に窓藻の花や朝日差し込む水速き 遠山を淡く泛かべる植田かな 鮎釣や雲なき空は風見せず 磨崖仏うるほす雨や慈悲心鳥 濡れ烏やつして艶冶業平忌 雨に窓あけて羽蟻の湧く夜なり 短夜の遮光カーテン朝拒む

短歌 笹公人「異空間アンプ」

異空間アンプ青春は苦行であると気づくたび眉間を走り抜けてゆく中央線 たましいを歪めるほどの痛みあり太陽系第三惑星の黄昏 肉体なるキグルミ纏い魂は「にんげん」というゆるキャラになる 芳一の書き忘れたる経の字がジェームズの左腕に刻まる 心霊写真を表紙に載せて(野蛮です)『ケイブンシャ恐怖大百科』手提げに戻す 野良猫が子猫を産んだ物置にゲーム&ウオッチが冷えていたんだ 地面から貝塚の気配漂えばパワーショベルでしょべりたきかも

多くの友人に支えられて 早川浩(早川書房代表取締役社長)

文・早川浩(早川書房代表取締役社長) 今年の2月25日、こんなメールが届いた。「ロンドン・ブックフェアの国際生涯功労賞の審査委員会は、貴殿を満場一致で2022年の受賞者に決定したのでお知らせします。公式発表の4月1日まではご内密に。おめでとう」。まさに青天の霹靂だった。 知らせによると、本賞は世界の出版界に重要な足跡を残した個人を表彰するもので、2004年に制定。過去の受賞者はフランスの〈ガリマール〉社社長のアントワーヌ・ガリマール、アメリカ〈クノップフ〉社社長ソニー・メ

27歳の副市長 及川涼介(裾野市副市長)

文・及川涼介(裾野市副市長) 今年4月、静岡県裾野市の副市長に就任しました。27歳の副市長は全国最年少。当時34歳の村田悠市長はよく「2人足しても61歳」と言っていました。都道府県知事や政令指定都市の市長の平均年齢が61歳であり、前例がないような若いコンビです。 私は東大法学部を卒業して総務省に入省。3年後、ベンチャー企業に転職して、自治体の行政デジタル化プロジェクトに従事していました。 それが今年1月末、初当選したばかりの村田市長から突然、副市長を打診されました。市内

鹿島茂「空白の4日間」菊池寛アンド・カンパニー⑦ “悪友”に仕立て上げられた菊池の大学進学やいかに

文・鹿島茂(フランス文学者) ★前回を読む。 鹿島氏 埋めなくてはならない空白前回、マント事件が起こった日付は不明と書いたが、しかし、『青木の出京』をもう一度、虚心坦懐に読み返してみると、ちゃんと答えが書いてあることがわかった。 「それは、雄吉にとっては忘れられない四月の十一日の晩であった」 つまり、1913年4月11日にマント事件は起こったのである。だが、なぜフィクションの中のこの日付がマント事件のそれであると断定できるのかといえば、作家というものは大きなところでは

芥川賞にとりつかれた男 菊池良(作家)

文・菊池良(作家) 今年の1月に『タイム・スリップ芥川賞』という本を出した。博士と少年がいろんな時代を旅して、各時代の代表的な芥川賞作家に会いに行くという内容だ。日本の戦後史と文学史が同時に学べる画期的な本になったと思う。 芥川賞は日本で1番有名な文学賞で、受賞作が発表されると必ずニュースになる。しかし、高い知名度とは裏腹に、賞の実態はあまり知られていないのではないか。芥川賞は1935年からはじまり、90年近くつづいている日本最長の文学賞でもある。その長い歴史を一望できる