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#新書時評

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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新書時評「ビートルズ、ドリフ、桑田佳祐」武田徹

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 ビートルズ、ドリフ、桑田佳祐「体に電気が走って、人生が変わりましたね」。1966年、公演のために来日し、都心に向かうビートルズの姿をテレビ中継で観ていた小学生時代を思い出して桑田佳祐はそう語ったことがある。 ビートルズなかりせばロック歌手・桑田は生まれなかった。そこまで強い影響を与えたビートルズとはどのようなバンドだったのか。小関隆『イギリス1960年代』(中公新書)によればその登場の背景には大戦後の緊

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新書時評 武田徹「シン・日本アニメ史」

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 シン・日本アニメ史『シン・ウルトラマン』が絶賛上映中だ。「シン」の語は1966~67年にテレビ放映された「ウルトラマン」へのリスペクトを込めた再解釈新作=リブートであることを意味する。しかし、そこでは何が、どうリブートされているのか。 『ウルトラ音楽術』(インターナショナル新書)では、著者の一人である青山通が空想特撮シリーズとして「ウルトラマン」に続いて放映された「ウルトラセブン」の音楽を担当した冬木透

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武田徹の新書時評 中国の強さと危うさ

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 中国の強さと危うさ清末の変法自強運動を率いた歴史家・梁啓超は祖国に名前がないことを嘆いていたという。確かに「夏」「漢」「唐」などは王朝名だし、「震旦」「支那」は外国での通称だ。結局、梁は逡巡しつつも自らの論考を「中国史叙論」と名付けたし、彼の祖国はやがて中華民国、中華人民共和国と名乗ることになるが、「中華」「中国」が本来は国名ではなく、「世界の中心」を意味する言葉だったことに留意してみる必要もありそうだ。

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新書時評「悪い言語哲学入門」「哲学で抵抗する」ほか 武田徹

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 危機を生き抜く哲学新型コロナウイルス感染症の流行は、変異株が次々に現れ、なかなか終息に向かわない。終わりを予測できないパンデミックのなかで、絶望に慣れてゆくことでより深い絶望的状況に追いやられる人々を描いたカミュの『ペスト』の世界が今や現実のものとなっている。 こうした危機に対して医学では対処しきれず、文学や哲学が提供する人文知に事態改善への期待がかかる。福嶋亮大『感染症としての文学と哲学』(光文社新書

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武田徹の新書時評 近くて遠い国、韓国

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 近くて遠い国、韓国 韓国からの留学生が減っている——、大学で教えているとそれが実感できる。日本で学び、日本を学ぶ、いずれの関心も彼らは失ってしまったのか。 一方で日本の側は韓国に興味津々だ。その証拠に1月には韓国関係の新書が、なんと4冊も刊行されている。この温度差は何なのか。同時刊行の新書の中から考える手がかりを探してみよう。 菅野朋子『韓国エンタメはなぜ世界で成功したのか』(文春新書)は、まさに今の

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武田徹の新書時評 変わる言葉と世界

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 変わる言葉と世界今野真二『うつりゆく日本語をよむ』(岩波新書)が取り上げるのは、いま再び進み始めている言文一致の動きだ。 明治時代の言文一致運動は堅苦しい漢文調で書かれていた言葉を日常的に用いる口語表現に変えた。しかしその変化は言葉遣いのレベルに留まり、「書き言葉」と「話し言葉」は別系列だった。 現在の言文一致は違う。注目されるのは「打ち言葉」の存在だ。話す代わりにスマホのキーでSNSに言葉を打ち込む

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武田徹の新書時評 大人のキリスト教入門

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 大人のキリスト教入門 年末年始はキリストの生誕を祝ったかと思えば神社に初詣にゆく慌ただしい時期だ。異なる宗教の行事をつまみ食いするのは現代日本でおなじみの光景だとはいえ、優れた入門書と出会えず、理解が深まらないことがこうした宗教的な節操のなさを加速させてはいないか。そこでクリスマス気分などすっかり消えた年始に読まれる本稿で、あえてキリスト教関係新書3冊を選んでみた。 まず元外務省主任分析官で作家の佐藤優

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武田徹の新書時評 異文化を横断する技術

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 異文化を横断する技術スマホは、矛盾をはらんだ存在だ。人と人をつなぐための情報通信機器なのに、むしろ断絶を生み出しているのだから。 石川結貴『スマホ危機 親子の克服術』(文春新書)はスマホによって分断される親子関係を描く。スマホの先に広がる世界を知らない親は、SNSで知らない人とも抵抗なく交流する子どもの様子に恐怖を感じて子どものスマホを隠して逆ギレされたり、危険信号に気づけずに子どもを犯罪の被害者にして

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武田徹の新書時評 問われるメディアの役割

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 問われるメディアの役割市職員トップの年収が500万円からいつのまにか6400万円につり上げられていた——。2010年に米カリフォルニア州の地方都市ベルでそんな仰天の事実が発覚した。メディア論の教科書ではその原因が地元紙の休刊にあり、記者に監視されなくなった市職員が勝手放題をしたのだと説明されている。 しかし地元紙が健在だったら本当に不正は防げたのか。共著で『自壊するメディア』(講談社+α新書)を刊行した

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武田徹の新書時評 緑のニューディール

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。  緑のニューディール今夏も豪雨災害が日本各地で発生した。地球温暖化の影響が指摘されている。 温暖化は本当に起きているのか、温室効果ガスがその原因なのか……。明日香壽川『グリーン・ニューディール』(岩波新書)はこうした“懐疑論”を丁寧に論駁することから書き出され、温暖化防止のために再生可能エネルギーシフトを急がねばならない必要性を訴える。 しかし、その一方で経済活動の停滞も許されない。そこで再エネ利用の

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武田徹の新書時評 子どもたちの未来のために

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 子どもたちの未来のために安倍政権誕生以来の重点政策だった大学入学共通テストへの外部試験、記述式問題の導入は、実施に問題ありとしていずれも見送られる結果になった。こうした見通しの甘さは、未来の命運を握る教育を舵取りする上で致命的ではないか。 たとえば菅政権は「こども」と「デジタル」を看板政策とするが、確かな検証なくデジタル技術を教育へ導入すれば実効性を欠くどころか危険ですらあろう。その点、バトラー後藤裕子

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武田徹の新書時評|現代日本のメンタルヘルス

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 現代日本のメンタルヘルス新書はその名のごとく「新」知識の提供が使命だ。新しさは著者や編集者、つまりサプライサイドからの提案という場合もあるが、今回取り上げるメンタルヘルス系の新刊3冊は、そこに示される知識を強く必要としている社会状況があることを意識せざるを得ない。 一例をあげよう。日本のアルコール依存症は予備軍も含めれば2500万人に及ぶと言われる。にもかかわらず『あなたもきっと依存症』(文春新書)で原

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武田徹の新書時評|膠着語の新語・造語文化

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します 膠着語の新語・造語文化 外国人力士が増えている相撲界で、難なく日本語を操るモンゴル勢の姿を見て不思議に感じたことはないだろうか。 英語のようにI、My、Meと格変化したり、単複でI、Weと単語自体が姿を変える(屈折させる)インド・ヨーロッパ語族の言語を「屈折語」と呼ぶ。それに対して「私」という単語はそのままに「は」「の」「に」「たち」と語尾をくっつける日本語のような言語は「膠着語」と呼ばれ、フィンランド、

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