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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『人新世の「資本論」』斎藤幸平

新たな左派の理論的リーダーの誕生 わが国でも環境問題に対する関心が高まっている。コンビニやスーパーでのレジ袋が有料化され、エコバッグを持つ人が増えている。菅義偉首相は2050年の脱炭素化を宣言し、2020年12月25日に政府も「グリーン成長戦略」を発表した。 〈政府は25日、2050年の脱炭素化に…

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『政治家の覚悟』菅義偉

コロナ禍があぶり出す各国の政治文化 1月16日に毎日新聞と社会調査研究センターが行った全国世論調査によると、菅義偉内閣の支持率は33%に下落した。2020年12月12日に行った前回調査では40%だったので、7ポイント下落した。不支持率は57%(前回49%)だった。他社の世論調査でも菅内閣の支持率は40…

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『日本共産党の研究』立花隆

日本共産党は「普通の政党」なのか? 本誌12月号掲載の拙稿「権力論――日本学術会議問題の本質」に関して、11月19日、「しんぶん赤旗」(以下「赤旗」)が、「フェイクの果ての「赤旗」攻撃/菅官邸を擁護する佐藤優氏の寄稿」(三浦誠社会部長署名)と題し、評者を名指しで非難する記事を掲載した。…

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 「辺野古遠望 (『あなた』所収)」 大城…

日本による沖縄差別の構造を冷徹に見据える 作家の大城立裕先生が、2020年10月27日に沖縄県北中城村の病院で老衰で亡くなった。95歳だった。 〈大城氏は1925年生まれ。県立二中を卒業後、中国・上海にあった東亜同文書院大学に入学した。敗戦で大学が閉鎖され同大学を中退し沖縄に帰る。/戦後は米施…

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史『リング』鈴木光司

コロナに直面した日本人の深層心理 最近、作家・鈴木光司氏の小説『リング』シリーズを読んだ。ホラー小説の歴史に残る名作だ。同日同時刻に4人の若い男女が激しい苦悶の表情を残して死んだことが物語の発端だ。4人の死をつなぐのは呪いのビデオテープだ。そこに映っていたのは、山村貞子という女性が…

『21 Lessons』ユヴァル・ノア・ハラリ――佐藤優のベストセラーで読む日本の…

AIの発展に人類はついていけない  中長期的視点に立つと日本の雇用環境は厳しくなる。AI(人工知能)技術の急速な発達によって、ホワイトカラーと呼ばれる人々の事務系、技術系の仕事が大幅に機械に代替されるからだ。このような技術転換が、新卒一括採用、終身雇用という日本の慣行に合致しなくなっ…

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史ーースターリン『弁証法的唯物論と史的唯物論…

今世紀中に『不老不死』が実現できるかもしれない  チャールズ・ダーウィン(1809〜82)が『種の起源』を発表し、進化論を提唱したことによって、神が人間を含む全ての生物を創ったという当時の世界観が崩された。現在、ゲノム(全遺伝情報)編集技術によって、人間が遺伝子を自由に書き換えて、病気…

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史ーー松本清張『黒革の手帳』

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史――島本理生『ナラタージュ』