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#ベストセラーで読む日本の近現代史

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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佐藤優 茶トラ猫とホームレスの友情を描いた実話「ベストセラーで読む日本の近現代史107」『ボブという名のストリート・キャット』ジェームズ・ボーエン

茶トラ猫とホームレスの友情を描いた実話ウクライナ戦争の影響で日本でもコストプッシュ型のインフレが起きている。インフレは社会的に弱い状況に置かれた人々を直撃する。作家で社会活動家の雨宮処凜氏は貧困問題に取り組む中で、行き場を失った人とペットの支援をしている。一般社団法人「反貧困ネットワーク」が2020年6月に「反貧困犬猫部」を立ち上げたときから、彼女はそのメンバーとして活動している。記者の取材に雨宮氏はこう答えている。 〈――支援に関わったきっかけは。/「20年5月、『私も犬

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佐藤優 ウクライナ戦争への視座を与える「ベストセラーで読む日本の近現代史106」『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里

ウクライナ戦争への視座を与えるロシア語会議通訳で、エッセイスト、小説家だった米原万里氏(1950年4月29日~2006年5月25日)が亡くなってから16年が過ぎた。米原氏の作品は、現在も多くの人々に読み継がれている。その中で、第33回大宅壮1ノンフィクション賞(2002年)を受賞した『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を取り上げたい。 日本共産党幹部の長女だった米原氏は、小学校3年から中学2年(1959~64年)までチェコスロバキア(当時)の首都プラハにあったソビエト学校で学ん

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佐藤優 ベストセラーで読む日本の近現代史105『帝国主義』レーニン ウクライナの情勢理解を深めるために

ウクライナの情勢理解を深めるために今年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は世界史の分岐点になった。ロシアのプーチン大統領はこの侵攻を「特別軍事作戦」と呼んでいるが、客観的に見れば戦争だ。 この戦争に関して、世界のほとんどの人々は、国という切り口から見ている。そして、戦争の当事国であるウクライナ、ロシアのみならず、日本を含むそれ以外の国民も、意識的もしくは無意識のうちに、自己を自国の立場と一致させて考えている。 自衛隊を憲法違反とする日本共産党ですら4月7日の参議院選挙

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佐藤優 ヘーゲルを通してプーチンの思考を読み解く ベストセラーで読む日本の近現代史

ヘーゲルを通してプーチンの思考を読み解く 2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は歴史を画する事件になった。ロシアの侵攻を力で阻止するためには、米国が地上軍を含む正規軍をウクライナに派遣しなくてはならない。そうなると第3次世界大戦に発展する可能性がある。米国が核戦争のリスクをはらんだ派兵に踏み込めないと読んでロシアのプーチン大統領は戦争を決断したのだ。岸田文雄首相は、米国と連携し、ウクライナを支援する腹を括った。ロシアに対してもG7諸国(日米英独仏伊加)で連携してかつてない制

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佐藤優「白い巨塔」ベストセラーで読む日本の近現代史103

医学部のモラルハザードを扱った古典 日本の医学界の封建的構造、大学病院勤務医と開業医の対立、人事を巡る医学部のモラルハザードなどを扱った社会派小説の古典だ。もっとも医学界だけでなく、中央省府、難関大学には現在も『白い巨塔』で描かれたような人事抗争が起き、封建的構造が残っている。 黒川五郎は岡山県の貧農の出身で、父親が早く他界したこともあり、母親によってたいせつに育てられた。五郎は苦学して浪速大学医学部を卒業した。学業を続けるには経済的裏付けが必要だ。母親は五郎に大阪の遣り手

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『太平洋戦争(上)(下)』児島襄

「コロナ敗戦」と「太平洋戦争敗戦」「コロナ敗戦」という言葉を耳にする。戦争は人間が相手で、コロナウイルスという自然現象を対象にする戦いを戦争と類比的(アナロジカル)に論じることが適切かという問題は残るが、パンデミック対応で日本の構造的宿痾が露見した点では、太平洋戦争との比較には意味がある。 戦前、日本の陸海軍は巨大な官僚機構でもあった。政府と軍の官僚機構が機能不全を起こしたところに太平洋戦争敗戦の一因がある。コロナ対策でも日本の官僚機構は機能不全を起こしている。 〈米国の

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『トロツキズム』 川上徹・山科三郎編

日本共産党を分析するための最良の資料 1991年12月のソ連崩壊によってフランス、イタリアなど欧米先進資本主義国の共産党は崩壊してしまった。対して日本共産党は、現在も国会に議席を有する国政のプレイヤーとして機能している。日本共産党の強さを分析する上で、本書は最良の資料だ。 1980年代半ばまで、日本のマルクス主義陣営は、社会党左派(労農派マルクス主義)、日本共産党、新左翼の3つに分かれて切磋琢磨していた。新左翼のことを警察は「極左暴力集団」「過激派」、日本共産党は「トロツキ

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『東條英機 「独裁者」を演じた男』一ノ瀬俊也

知られざる戦争指導者の実像コロナ禍の危機にあるにもかかわらず、日本の政界は緊張感に欠けている。当事者にとっては深刻だが、国家や国民とは関係ない権力闘争に明け暮れている。 もっとも太平洋戦争中も日本は2度も首相が交替している。総力戦体制の確立に努め、対米英戦争に日本が踏み切ったときの首相だった東條英機(1884年12月30日生~1948年12月23日没、41年10月18日~44年7月22日首相)の生涯を見ると、今日にも共通する日本の政治文化がわかる。まず、東條は知識人からは人

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『ナショナリズムの美徳』 ヨラム・ハゾニー

グローバル化以後の世界のあり方を示す コロナ禍がもたらした大きな変化が2つある。 第1はグローバリゼーションに歯止めがかかったことだ。国境の壁が、新型コロナウイルス感染症が蔓延する前よりも高くなった。そして国家機能が強化された。先進国において国家の機能は司法、立法、行政に分けられるが、コロナ禍で行政が優位に立つようになった。急激な変化に対応するためには、議会や裁判所を噛ませずに政府が独断専行することが国家と国民を守るために必要だからだ。 岸田文雄首相は経済安全保障を強調す

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『日本を前に進める』河野太郎

異色の政治家の政策論を検証する波乱を呼んだ今回の自民党総裁選挙に立候補した岸田文雄氏、高市早苗氏、河野太郎氏、野田聖子氏の中で、毀誉褒貶相半ばしたのが河野氏だった。河野氏を評価する人から見れば突破力があるということだったが、忌避する人から見れば大混乱が生じるということだった。 河野氏は、エネルギー政策、年金政策などで他の3人とは本質的に異なる考え方をしていた。国民一人ひとりの生活に直結する年金政策について見てみよう。 〈(9月)29日投開票の自民党総裁選で年金改革が争点に

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『実力も運のうち 能力主義は正義か?』マイケル・サンデル

社会の分断を生んだ能力主義の問題点8月15日、アフガニスタンの武装勢力タリバンが首都カブールを制圧した。同日、アシュラフ・ガニ大統領は国外に逃亡し、アフガニスタンの現政権は崩壊。この事件は今後の国際関係に大きな影響を与える。 〈米国のアフガニスタンを巡る戦略について、同国とともに派兵した欧州諸国で不満と困惑が広がっている。(中略)「欧米協調」の象徴だったアフガン駐留が失敗し、欧州の安全保障体制にも影響が出る恐れがある。/(中略)英議会下院の議場で18日、ジョンソン首相は与野

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史『入門マクロ経済学 第6版』 中谷巌・下井直毅・塚田裕昭

「経済理論入門」と「現状分析」を兼ね備える名著 政府は、5月14日の経済財政諮問会議で、財政の健全化目標について議論した。 〈民間議員は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度に黒字化するとの従来目標を「堅持すべきだ」と提言した。政府は6月にもまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に盛り込むが、その実現性には険しさが増す。/(略)PBは財政の健全性を示す指標の一つで、社会保障や公共事業といった政策経費をどのくらい税収でまかなうことがで

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『なぜ必敗の戦争を始めたのか―陸軍エリート将校反省会議』半藤一利編・解説

日米首脳会談を地政学から読み解く 米国を公式訪問した菅義偉首相がワシントンで4月16日(日本時間17日)、ジョセフ・バイデン大統領と会談した。同日発表された共同声明では、国際秩序を一方的に変更しようとする中国を牽制する以下の内容が含まれた。 〈日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す。日米両国は、香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念を共有する。日米両国は、中国との率直な対話の重要性を認識するとともに、直接懸念

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