文藝春秋digital

スターは楽し マシュー・マコナヘイ|芝山幹郎

マシュー・マコナヘイ ©Billy Bennight/ZUMA Wire/共同通信イメージズ 不敵で超然として日本ではマシュー・マコノヒーと表記されることが多いが、この人の名前の発音は「マコナヘイ」に近い。予告篇やアカデミー賞授賞式の映像を見ながら、ちょっと耳をすましてみれば気づくはずだ。修正したほう…

コロナ自粛を吹っ飛ばす「厳選10本」 本気で笑える映画、泣ける映画

おこもりシネマで爆笑して大泣きしてストレスを発散しよう。/芝山幹郎(評論家・翻訳家) <summary> ▶︎コメディ映画を見て笑うことで、心が修復されることがある ▶︎大泣きするのもいい。心が浄化されます。ただし、しくしく、めそめそ泣くのは身体に悪いので、わんわん泣くほうがいい ▶︎他人…

スターは楽し ジム・キャリー|芝山幹郎

ジム・キャリー ©AF Archive/Universal/Mary Evans Picture Library/共同通信イメージズ ナンセンスが噴火する 1990年代の中盤、ジム・キャリーが噴火した。爆発というより噴火。一過性の破裂ではなく、溶岩の連続的な噴出。94年だけでも『エース・ベンチュラ』、『マスク』、『ジム・キャリーは…

スターは楽し「アンナ・カリーナ」|芝山幹郎

アンナ・カリーナ(写真・ROGER_VIOLLET) まぶしく弾けるソーダの泡 ダークヘア、ややぱらついた前髪、濃いアイライン、ニーソックス、格子柄のベレー。そして、牝鹿のような眼。 アンナ・カリーナの顔や姿は、すぐに浮かび上がる。記憶を遡るまでもない。 1960年代、カリーナの名を聞くだけで…

スターは楽し エディ・マーフィ|芝山幹郎

エディ・マーフィ 「複数の色彩」という鉱脈 見終わった直後は、「エディ・マーフィが、久しぶりに鉱脈を見つけたな」という程度の印象だった。 ところが、妙に舌に残る。面白さがじっくりと煮込まれていて、後味がよい。舞台になった1970年代のロサンジェルスを、私自身が思い出したためだろうか…

スターは楽し 吉永小百合|芝山幹郎

吉永小百合 「ふん」に託された陰翳 吉永小百合のことを書くとは思っていなかった。この人の魅力はよくわからない、嫌いだと思ったことはないが、結局は縁のない人だ。そんな気持を、私はずっと抱きつづけていた。 そんなわけだから、世間が騒いでも、気分は醒めたままだ。サユリストという流行語…

スターは楽し ソン・ガンホ |芝山幹郎

ソン・ガンホ ©Penta Press 重喜劇が似合う妖怪 ソン・ガンホに似た俳優はいるのだろうか。見た目はともかく、体質の近い役者はいるのだろうか。アカデミー賞4冠に輝いた『パラサイト 半地下の家族』(2019)を見て、私はそう思った。 ソンはこの映画を支えた主演俳優だ。映画自体が2重底3重底…

スターは楽し モーガン・フリーマン|芝山幹郎

モーガン・フリーマン 濁りを恐れぬ受けの芝居 「あの娘は、自分がゴミだという事実だけを思い知らされて生きてきた」 名作『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)の序盤で、ひやりとするナレーションが聞こえる。 声の主は、モーガン・フリーマンが扮するスクラップという元ボクサーだ。スクラッ…

スターは楽し ジャック・レモン|芝山幹郎

ジャック・レモン AF Archive/Mary Evans Picture Library/共同通信イメージズ 上質のハム 『お熱いのがお好き』(1959)、『アパートの鍵貸します』(1960)、『あなただけ今晩は』(1963)……。 私が小学校や中学校に通っていたころ、ジャック・レモンが主演したビリー・ワイルダーの映画は圧…

スターは楽し アルレッティ|芝山幹郎

だれのものでもない彼女 1990年前後、一世を風靡した大女優が相次いで逝去した時期があった。 ベティ・デイヴィスが89年、グレタ・ガルボが90年、そしてマレーネ・ディートリッヒとアルレッティが92年。長寿を全うした人々ばかりだが、19世紀生まれはアルレッティひとりだ。 そんな年齢だったのか、…