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#芝山幹郎

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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「女優を光らせる力」ジェラール・フィリップ スターは楽し|芝山幹郎

文・芝山幹郎(評論家・翻訳家) ジェラール・フィリップ ©AF Archive/Mary Evans Picture Library/共同通信イメージズ 女優を光らせる力2022年は、ジェラール・フィリップの生誕100年に当たる。1922年12月にカンヌで生まれた彼は(丹波哲郎やクリストファー・リーと同い年だ)、59年に36歳で早逝している。私がまだ小学生のころだった。 という時間差もあって、幼いころの私はフィリップの出演作を封切で見ていない。親の年齢に近い人々が、ダニ

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仲代達矢、自作を語る 聞き手・芝山幹郎

90歳目前ながら、いまなお現場に立つ。「世界のナカダイ」が、70年の役者生活を回顧する。/聞き手・芝山幹郎(評論家・翻訳家) 60年代日本映画の仲代達矢仲代達矢の「長征」が続いている。 1950年代前半に役者として出発し、今年12月に90歳を迎える高齢であるにもかかわらず、いまなお映画や演劇の現場に立つ。その例外的な「長征」に驚嘆する人は多い。文化勲章や菊池寛賞をはじめ、受章や受賞も多数にのぼる。当然といえば当然の結果で、私も最大限の敬意を払いたい。ただ、もっと瞠目すべき

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『ショーシャンクの空に』のティム・ロビンス「長身とくよくよ芝居」芝山幹郎 スターは楽し

ティム・ロビンス John Barrett/PHOTOlink/共同通信イメージズ 長身とくよくよ芝居ティム・ロビンスは大谷翔平よりも背が高い。大谷が193センチで、ロビンスは196センチだ。ジェフ・ゴールドブラムやヴィンス・ヴォーンよりも少し高い。大谷とのもうひとつの共通点は、大きな身体の上に小さな童顔がちょこんと載っていることだ。私がロビンスに注目したのは、『さよならゲーム』(1988)という野球映画を見たときだった。大谷はまだ生まれていない。 映画の舞台は、ノー

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スターは楽し アン=マーグレット|芝山幹郎

アン=マーグレット Album/共同通信イメージズ 年季の入った誘惑体質 なぜこんなに機嫌よくさせてくれるのだろう。なぜこれほど幸福感にあふれているのだろう。『ラスベガス万才』(1964)を見直すたび、私はそう思う。 エルヴィス・プレスリーがカーレーサー志望の自動車整備工に扮し、ホテルのプールで水泳コーチをしているアン=マーグレットと恋に落ちる。ほぼそれだけのお気楽な映画なのに、全篇がきらきらと輝いている。こんなの、エルヴィスの歌謡映画じゃないかと決めつける人も多い

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映画「ベルファスト」を見ていたら… ラクエル・ウェルチ スターは楽し|芝山幹郎

ラクエル・ウェルチ Studiocanal Films Ltd/Mary Evans/共同通信イメージズ 明朗闊達な記念碑『ベルファスト』(2021)を見ていたら、『恐竜100万年』(1966)の映像が眼に飛び込んできた。1969年のベルファストを黒白で描いた映画なのだが、引用部分はカラーに変わる。 映画館でそれを見た瞬間、主人公の少年が頬をゆるめる。観客も束の間ほっと息をつく。当時のベルファストでは、プロテスタント住民とカトリック住民との摩擦が激化しはじめていた。

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スターは楽し ウィル・スミス|芝山幹郎

ウィル・スミス ÂⒸ Billy Bennight/ZUMA Press Wire 対応自在の芸人魂ウィル・スミスが久しぶりにアカデミー主演男優賞候補になった。新作『ドリームプラン』(2021)の演技が評価されてのことだが、前2回(200一年公開の『ALI アリ』と06年公開の『幸せのちから』)に比べて、今回は後押しをしたいノミネーションだ。 スミスが演じたのは、ヴィーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹を「史上最高のテニス選手」に育てた父親リチャード・ウィリアムズの役だ

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スターは楽し タイロン・パワー|芝山幹郎

タイロン・パワー Ronald Grant Archive/Mary Evans/共同通信イメージズ 二枚目以外を求めた二枚目ギレルモ・デル・トロが『ナイトメア・アリー』(2021)という新作を撮った。主演はブラッドリー・クーパー。題名を聞いて、おやと思った人は少なくないのではないか。 お察しのとおり、これは『悪魔の往く町』(1947)のリメイクだ。こちらの原題も『ナイトメア・アリー』で、監督がエドマンド・グールディング。というより、タイロン・パワーが主演して新境地を

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スターは楽し ベネディクト・カンバーバッチ|芝山幹郎

ベネディクト・カンバーバッチ すごく頭のよい変人 ネット配信がはじまって間もない『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)のなかで、ベネディクト・カンバーバッチがまたもや凄い芝居を見せている。 役柄は、フィルというモンタナ州のカウボーイだ。といっても時代は1925年で、西部開拓時代はすでにピークを過ぎている。彼の弟などは、牧場と町の往復に初期の自動車を使うくらいだ。 フィルはカリスマ性が強く、周囲にワイルドな威圧感をまき散らす。高度な教育を受けているにもかかわ

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スターは楽し 松田優作|芝山幹郎

松田優作 静かな美貌と鬼の気配松田優作が出ていなかったら、『ブラック・レイン』(1989)は、これほど記憶に残る映画にはならなかったはずだ。 冷静になって見直すとやや荒っぽいところもある映画だが、89年10月の劇場試写で見たときはどきりとした。 松田優作の演じるサトーが、鬼気迫る演技を見せていたからだ。オーバーアクトすれすれと感じた人はいるかもしれないが、私は納得した。そうか、このやり方でアメリカ映画と勝負したのか。 サトーは、やくざや犯罪者といった類型を大きくは

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スターは楽し ティルダ・スウィントン|芝山幹郎

ティルダ・スウィントン ©UPI=共同 100の顔を持つ魔物30年ほど前のことになる。ロンドンのナイツブリッジにある小さな映画館で、私は『オルランド』(1992)を見た。ケンジントン・ロードをはさんで反対側にあった〈真珠飯店〉という小綺麗な中華料理屋は覚えているが、映画館の名があやふやだ。もしかすると、〈インペリアル・シネマ〉だったかもしれない。 そこで見た『オルランド』が記憶に残りつづけている。映画の主人公は400年の時空を超えて生きる。16世紀の英国に生まれたハン

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スターは楽し デボラ・カー|芝山幹郎

デボラ・カー ©Ronald Grant Archive/Mary Evans/共同通信イメージズ 退屈さを勝負技に変える 若いころ、私はデボラ・カーを冷たい眼で見ていた。最初に見たのが、『悲しみよこんにちは』(1958)だったことも一因だろうか。美貌の誉れ高い女優だが、このときは相手役が(というか、敵役が)ジーン・セバーグだった。 これはちょっと分が悪い。この映画の少しあとに『勝手にしやがれ』(1960)に主演したことからもわかるとおり、当時のセバーグは「とんがった

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スターは楽し 千葉真一|芝山幹郎

千葉真一 お茶目な火炎放射器千葉真一を飛行機のなかで見かけたことがある。1990年代の初めごろだったか、バハ・カリフォルニアのロスカボス空港からロサンジェルス行きのアラスカ航空機に乗り込んだところ、機体前部の6席しかないファーストクラスのひとつに、サニー・チバが腰を下ろしていたのだ。おや、という表情を私が浮かべたせいか、千葉真一は眼もとをちょっとゆるめてくれた。それだけの話だが、なぜか記憶に残っている。 いまにして思うと、千葉真一は当時50代前半で、すでに活動の拠点を

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スターは楽し ケヴィン・コスナー|芝山幹郎

ケヴィン・コスナー WEISSMAN, ALAN/Album/共同通信イメージズ エゴを消したサバイバルあのころ、ケヴィン・コスナーの人気は爆発的だった。「ゲイリー・クーパーの再来」と呼ばれ、映画スターの枠を超えたカルチャー・ヒーローと目されることさえあった。1980年代の終わりから90年ごろにかけての話だ。 人気が頂点に達したのは、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990)に主演し、監督も兼ねたときだった。これはスー族の集団に身を投じた北軍中尉の物語だ。封切直後、私

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