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藤原正彦「古風堂々」   一盛一衰

藤原正彦「古風堂々」   一盛一衰

文・藤原正彦(作家・数学者)  2009年の春、フランクフルトの地下鉄駅で地図を広げていたら、20代の青年と会話が始まった。「フランクフルトは前大戦で手酷く爆撃されたため、古いもの好きの私としてはたいして見るものがなく残念だ」「何もかも壊されました」「ドイツと日本は市民が猛爆された。明白なハーグ条約違反だ」。青年は困惑の表情を浮かべた。続けて「ヒトラーと東条は確かに悪かったが、ルーズベルト、スターリン、チャーチルなど、2人とどれほど違うんだい」と言ったら、「でも僕達は本当に

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