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著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、東山彰良さん(作家)です。 わたしはわたし両親が広島大学に留学していたせいで、台北の祖父母の家に5歳まで預けられていた。 そのせいだろう、どんなに記憶の底をさらってみても、そのころの父に関する記憶がない。父のことで思い出せるいちばん古い記憶は、私たちが広島にいたときのものだ。日本へ引き取られたあと、私と妹は広島大学にほど近い保育園に入れられた。送り迎えはたいてい母がしていたのだが、その日はたまさか父が迎えに来てくれた。父