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#文藝春秋2020年2月号

蓋棺録<他界した偉大な人々>

偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム。 ★石橋政嗣  元日本社会党委員長の石橋政嗣(いしばしまさし)は、同党の「現実路線」を推進して苦闘した。  1980(昭和55)年刊行の『非武装中立論』は反響が大きかった。他国から攻撃された場合について、「私は誤解を恐れず、思い切って『降伏した方がよい場合だってあるのではないか』ということにしています」と述べた部分には賛否が渦を巻いた。  24(大正13)年、台湾の台北に生まれる。父親は総督府の官吏で、台北高

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黒田杏子さんのおふくろの話。

著名人が母親との思い出を回顧します。今回の語り手は、黒田杏子さん(俳人)です。 無名の俳人 母のこゑ節分草の咲くころね 杏子  母は95歳で亡くなるまで、句作に打ち込んでいた。私には姉兄妹弟が居て、私はその真ん中の5人きょうだい。  私たち夫婦には子供が居ない。広告会社に60歳定年まで在籍させてもらった私は、母とよく旅に出た。京都に桜を訪ね、「風の盆」の八尾に泊まり、節分草や片栗の花を訪ねて山奥の村まで行ったりした。父は開業医で、東京大空襲で焼失した東京本郷の家から、生

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ホアキン・フェニックスの破壊力と自壊力 / 芝山幹郎

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北康利さんのオヤジの話。

著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、北康利さん(作家)です。 大きな背中を追いかけて 商社の石油子会社に勤めていた父は、ガソリンスタンドで働いている時代が長かった。一度、青い作業服で家に帰ってきたとき、小学生の私は学校で習ったばかりの言葉でこう言ってしまった。 「おとうさんはブルーカラーやねんな」  私の前では素知らぬふりをしていたが、とてもショックだったようで、あとで母親からこっぴどく叱られた。 「中小企業や子会社の苦労を知れ。ガソリンスタンドで冬の

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武田徹の新書時評――宇宙の広大さと人間の小ささ

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。  地平線から上る満月は眼の錯覚もあって巨大に見え、月という天体本来の球形に近く感じられる。思わず見惚れてしまった経験のある人も多いだろう。  そんな月は佐伯和人『月はすごい』(中公新書)によれば可能性の宝庫だという。まず地球に殆ど存在しない鉱物資源が豊富だ。太陽光が一切射さない月面の「永久影」の中は極低温となるので超伝導(電気抵抗がゼロになる)が容易に実現し、地球ではありえない電力の利用法が可能となる等

旬選ジャーナル<目利きが選ぶ一押しニュース>――八木澤高明

八木澤高明(ノンフィクションライター) 【一押しNEWS】中村医師は「不条理に対する復讐」をした/12月16日、AERA(筆者=古田大輔) 昨年12月4日、アフガニスタンで緑化事業や医療事業に従事してきた中村哲医師が同国・ナンガルハル州ジャララバード近郊で何者かに銃撃を受け、殺害されるという痛ましい事件が起きた。  古田大輔さんの記事を読んだのは、その悲報から数日後のことだった。  記事によれば、中村医師がアフガニスタンと関わるきっかけは、1978年に知人に誘われて

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旬選ジャーナル<目利きが選ぶ一押しニュース>――佐久間裕美子

佐久間裕美子氏(文筆家) 【一押しNEWS】なぜ世界で大麻規制が緩和されているのか/11月21日、日経クロステックオンライン(筆者=渡辺史敏) プロ・スノーボードの選手、國母和宏が大麻取締法違反で起訴される直前の11月21日、日経クロステック(オンライン)に「米国で11州が使用解禁、スポーツリーグの大麻への向き合い方」と題した記事が出た。ジャーナリストの渡辺史敏氏によるこの記事は、これまで長く禁じられてきた大麻(マリファナ)の使用について、米スポーツ界4大プロリーグが見

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『吃音 伝えられないもどかしさ』著者・近藤雄生さんインタビュー

近藤雄生氏 「吃音」とは言葉に詰まる、つまり、どもる症状のことを言う。世界中のどの国を見ても、100人に1人の割合で吃音を持つ人がいる。著者の近藤雄生さん自身も、幼い頃から吃音に悩まされた。 「言葉を意識すると、発することが難しくなるんです。ファーストフード店に行って『てりやきバーガー』を頼もうとしても、『て』がなかなか出てこない。『えっと……』と時間を稼ぎながら、ぱっと言えそうな言葉を探し、食べたくなくとも『チーズバーガー』を頼んだりするんです。一番辛かったのが『予

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薬剤耐性菌による年間死者数を知っていますか?

サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。 今回の数字:薬剤耐性菌による年間死者数=8000 20世紀最大の発明は何かと依いたら、あなたは何と答えるだろうか。コンピュータを挙げる人は多いだろうし、原子力の開発もまた歴史を大きく塗り替えた。だが筆者としては、各種の抗生物質を推したい。  1928年に発見されたペニシリンは、それまで人類を苦しめてきた各種の細菌感染症をほぼ一掃した、まさに奇跡の薬だ。その後も多くの抗生物質の発見が相次

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“トランプに勝てる男”マイケル・ブルームバーグとは何者か。

ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、マイケル・ブルームバーグ(Michael Rubens Bloomberg、前ニューヨーク市長、ブルームバーグ創業者)です。 マイケル・ブルームバーグ 500億ドルでトランプに挑む「金融情報」の先駆者 「トランプに勝てるのはこの男しかいない」  いま、米国でこう評されているのは、昨年11月に米大統領選挙の民主党候補者指名争いに出馬することを表明した前ニューヨーク市

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橘玲さんが今月買った10冊の本

快感は論理に 20世紀の科学の最大のパラダイム転換のひとつが、進化論で起きたことは疑いない。DNAの二重らせんの謎が解かれ、生き物の生存・生殖戦略がアルゴリズムとして記述できるようになったことで、生物学は根本的に書き換えられた。  これを人間に拡張すると、私たちのよろこびやかなしみ、愛や憎悪も「利己的な遺伝子」が自己の複製を最大化するための戦略になる。こうして1970年代後半に、アメリカで「社会生物学論争」が勃発した。  ところが日本のアカデミズムは、この重大な出来事を無

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霞が関コンフィデンシャル<官界インサイドレポート>

日本を動かすエリートたちの街、東京・霞が関。日々、官公庁を取材する記者たちが官僚の人事情報をどこよりも早くお届けする。 ★新次官は“小説家” 日本郵政グループの不適切販売を巡り、元総務次官の鈴木康雄上級副社長(昭和48年、旧郵政省入省)に情報を漏洩し、次官だった鈴木茂樹氏(56年)が事実上更迭された。メールや面会記録など証拠を手に高市早苗総務相自ら自白を迫ると、鈴木氏は“完落ち”したという。  後任についたのは、総務審議官だった黒田武一郎氏(57年、旧自治省)。高市氏には

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丸の内コンフィデンシャル〈財界インサイドレポート〉

日本の経済の中心地、東京・丸の内。敏腕経済記者たちが“マル秘”財界情報を覆面で執筆する。 ★野村HDのトップ交代 国内最大手の証券グループ野村ホールディングス(HD)の新CEOに奥田健太郎副社長が2020年4月1日付で就任することが決まった。永井浩二現CEOは代表権のない会長に退く。  近年、野村HDのトップはスキャンダルが引き金になって引責辞任するパターンが多かった。7年8カ月ぶりの今回のバトンタッチは「次期社長争いで敗れた、野村證券社長の森田敏夫氏の方が適任者だった。

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角幡唯介さんの「今月の必読書」…『アート・オブ・フリーダム』

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