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藤田貴大さんのおふくろの話。

藤田貴大さんのおふくろの話。

著名人が母親との思い出を回顧します。今回の語り手は、藤田貴大さん(演劇作家・マームとジプシー主宰)です。 なつかしい声  母はいつだってきびしかった。ほとんど、怒られているときの記憶しかない。それとおなじくらい、泣いているのもよく見た。なにかと、いつも泣いていた気がする。うれしくてもかなしくても怒っていても。ぼくを怒ったあとは、かならず泣いていた。なので、なおさら怖かった。ああ、彼女はほんとうにぼくのことを怒っているのだとわかったからだ。  近所のみほちゃんがうちのトイ

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