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#俳句

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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4

俳句 生駒大祐「紙と雨」

紙と雨声に振り向けば柱や夏の朝 卯の花腐し紙にして汝を持ち歩く 水崩れ落ちて断崖額の花 夏曇天造花に佇てば贋の香 百日紅街へ歳月降り注ぐ 飲む針の数にたぢろぐ夕立かな 軋む音して今日了る枇杷の種

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6

“俳句脳”の鍛え方 夢枕獏×夏井いつき

がんでの入院中、心の支えは俳句でした。/夢枕獏(作家)×夏井いつき(俳人) 夢枕さん(右)と夏井さん(左) 「俳句が心の支え」夢枕 ご無沙汰しています。少し前までまた入院していて……。直接お会いするのは2年ぶりくらいかな。 夏井 メールをいただいたときには本当に驚きましたよ。「がんになってしまった」と。 夢枕 昨年3月に悪性リンパ腫のステージⅢと診断されまして。抗がん剤の副作用もなかなか辛くて、それからはもう、釣りも遊びも原稿も、すべてキャンセルしなければいけなくなっ

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37

俳句 小川軽舟「雨に窓」

雨に窓藻の花や朝日差し込む水速き 遠山を淡く泛かべる植田かな 鮎釣や雲なき空は風見せず 磨崖仏うるほす雨や慈悲心鳥 濡れ烏やつして艶冶業平忌 雨に窓あけて羽蟻の湧く夜なり 短夜の遮光カーテン朝拒む

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8

夏井いつき(俳人)特定郵便局長の父はテストの点数を笑い飛ばした

著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、夏井いつきさん(俳人)です。 テストの点数私の実家は、愛媛県の南端にある小さな村で、特定郵便局を営んでいました。郵政民営化の前は、家業として代々引き継がれている郵便局が数多くあったのです。うちの父は3代目の局長で、母は局員として勤めていました。 父は寡黙で、田舎のインテリといったタイプ。本を読むのが好きで、青年団でバンドを結成してギターも弾いていました。また、自宅には手作りの暗室を作って、写真を撮るのを趣味にしていました

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12

俳句|なつはづき

呼吸野良猫に名前を付けて月涼し 金魚くるりビューラーの口半開き ささやきが胸まで落ちて風薫る 遠雷や鏡の顔にふと触れて 海の日の象ざぶざぶと洗われる 水海月キスしたあとの浅い呼吸 きっぱりと向日葵の立つ平和なれ

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100

小林一茶「死ぬのが恐い」往生際 大谷弘至

母との死別、娘の夭折、2度の脳梗塞。なぜ辞世の句を遺さなかったのか。/文・大谷弘至(俳人・俳句結社「古志」主宰) 大谷さん 辞世を詠むことは不自然雀の子そこのけそこのけ御馬が通る やれ打つな蝿が手をすり足をする 雪とけて村一ぱいの子ども哉 痩蛙まけるな一茶是に有 これらは小林一茶(1763~1827)の代表的な句です。朗らかで温かみのある作品は日本のみならず、世界各国でも翻訳され、愛誦されています。 ところが一茶は辞世の句を遺していません。これは異例のことです。かつて

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10

俳句|大塚凱

疑存島卒業の頃からずつと工事の駅 猫の子の死後に買ひ足す皿一枚 掃きまはす埃に蜂の脚からむ 闇ていねい夜を囀らないやうに 或る春のくるま水漬けばみんなのもの スカーフは水が好きならさすらふと 夜桜や遊具の上のおとなたち

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4

俳句|山岸由佳

氷上氷上の晴れて人々しづかな息 金網に冬の音あり海のあり ストーブや文字の輝き欅にも 雪止みし水面に映る赤ん坊 蜜柑置く小さな夜のはじまりに 荷を下ろす正午の鐘や春遠からじ 首ながき鳥の歩める春の霜

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15

俳句|小川春休

鯛のくちびるいづれかにすべし話すか餅食ふか 四温なりちよつと良い寿司でも行くか 冬の灯に鯛のくちびるぽつてりと 風花にどこまで転げゆく缶ぞ 大寒の団地に靴の響きけり 工事用迂回路寒き灯を並べ 白き息月へとのぼりつつ消ゆる

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9

俳句 飯田蛇笏・石田波郷・金子兜太 百周年記念傑作選

飯田蛇笏 野分して鶏人の顔よろこばず 鷹鳴いて深山の空小暇あり (1962年2月号) 石田波郷 年酒して旅の夫婦の埓もなし 釣堀の著膨れ父子いつまでも (1965年1月号) 金子兜太ほとばしる湯殿山霊代初景色 胆っ玉おっかあたちや寝正月 (1996年1月号)

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5

俳句 小田島渚

水輪十月や鐘鳴り渡る雨の街 月になれずつぎつぎ貌となる水輪 流星のたてがみまでも死が覆ふ しろがねの鳥を生みたる冬の水 藁を足す夜の馬房や息白し あをぞらの果実もぐかに氷柱折る 少年の触るるものみな凍蝶に

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9

俳句 鴇田智哉

ほつれ人形がひらき機械のさやかなる チャンネルのうつり変はれる法師蝉 丸まつてをり土竜とも軍手とも 月がもう額のそばへきてゐたり 左手にとらへ芒を択びとる 耳朶よりもあかい秋海棠のあか 私とは重さのちがふ鶏頭花

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7

俳句|日下野由季

銀漢短夜の背丈違へて姉弟 銀漢や産み終へてわれ身ふたつに 遠花火胸の高さに子を抱きて 揺れてゐるのは揺籃かペガサスか 上の子が寝れば下の子起きて秋 いなびかり注射の腕持ち歩く 秋澄むや星のごとくに人と人

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