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船橋洋一の新世界地政学 中台をめぐるワクチン“超限戦”

船橋洋一の新世界地政学 中台をめぐるワクチン“超限戦”

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 中台をめぐるワクチン“超限戦”1年前は、コロナ対応の優等生と目された東アジアの国々でコロナ感染がぶり返している。コロナ感染を抑え込んできたことが裏目に出て、ワクチン接種で出遅れた側面もある。ただ、その中で中国だけは独り、感染抑制とワクチン接種と経済正常化の各方面で対応の冴えを見せている。一気に「コロナ病棟」を建設し、地方から多数の医療従事者を呼び寄せた。国産ワクチンをフル回転で生

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第165回芥川賞受賞者インタビュー 李琴峰「私をカテゴライズしないで」

第165回芥川賞受賞者インタビュー 李琴峰「私をカテゴライズしないで」

息苦しい“枠”の外側を書き続けたい。/文・李琴峰(作家) 李さん 〈授賞のことば〉デビュー時に書いた「受賞のことば」を読み返すと、「不条理に押し付けられた人間としての生」とある。それがまさに私を縛りつけ、痛めつけ、踏み躙り、絶望の淵に突き落としては筆を握るようけしかけるものの正体と思えてならない。 言葉は生かしも殺しもするし、文学は希望にも絶望にもなる。絶望の淵にいる人にとって、文学は救いの一点の光であってほしい。出生から永眠まで、自分自身では到底どうしようもない多くの

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台湾・蔡英文総統 単独インタビュー「香港、ウイグルへの弾圧を北京当局がやめるよう呼びかける」聞き手・船橋洋一

台湾・蔡英文総統 単独インタビュー「香港、ウイグルへの弾圧を北京当局がやめるよう呼びかける」聞き手・船橋洋一

「香港、ウイグルへの弾圧を北京当局がやめるよう呼びかける。民主主義陣営は団結すべきだ」/文・蔡英文(台湾総統)、聞き手・船橋洋一(アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長) 蔡氏(左)と船橋氏(右) SARSの流行を教訓に ――昨年来、国際情勢は新型コロナウイルスの感染拡大によって混沌としています。また、東アジアでは、力による現状変更の試みも見られ、地政学的リスクも高まっています。そうした中、台湾はさまざまな面において世界の注目を集めています。日本にとっても台湾の動向は

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迫る台湾侵攻「日米極秘訓練」の全貌 中国共産党の「野望と病理」|麻生幾

迫る台湾侵攻「日米極秘訓練」の全貌 中国共産党の「野望と病理」|麻生幾

Xデーは北京冬季五輪から数カ月後。日本が人民解放軍の標的となる――。/文・麻生幾(作家) 「10年以内には台湾有事が発生する」長さ約25メートル、幅が10メートルを超える広大な床に広げられた巨大な地図。描かれているのは、沖縄県の宮古島(みやこじま)、伊良部島(いらぶじま)と下地島(しもじしま)を拡大したものだ。 そのうち宮古島の北側に位置し、オーシャンブルーの海を一望できる西平安名崎(にしへんなざき)の、ちょうどその上に、ⅢMEF(スリーメフ)(アメリカ海兵隊第3海兵遠征

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船橋洋一の新世界地政学 台湾:戦略的曖昧性と戦略的明瞭性

船橋洋一の新世界地政学 台湾:戦略的曖昧性と戦略的明瞭性

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 先月の日米首脳会談後に発表された共同声明は、「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。 日米共同声明で台湾に言及したのは1969年の佐藤・ニクソン会談後、52年ぶりのことである。この時は、「台湾地域における平和と安全の維持も日本の安全にとって極めて重要な要素」であるとの文言が入った。それに比べても、今回の文言は、ことさ

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新しい血|東山彰良

新しい血|東山彰良

文・東山彰良(作家) 今年1月11日に行われた台湾総統選挙では、大方の予想通り民進党・蔡英文が再選を果たした。820万票を集めての圧勝だった。 対立候補の国民党・韓国瑜は「安全でお金持ちの台湾がいいか、危険で貧乏な台湾がいいか」と民衆に問いかけた。台湾独立を主張する民進党が勝てば中国が黙っちゃいない、逆に我々国民党が勝てば14億の市場が開けているぞというわけだ。が、そのようなポピュリズムに与したのは550万人に留まった。つまり台湾人のおよそ6割が、たとえこれから危険が待ち

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世界経済の革命児 オードリー・タン|大西康之

世界経済の革命児 オードリー・タン|大西康之

ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、オードリー・タン(Audrey Tang、台湾IT担当政務委員)です。 オードリー・タン 「好意」で国家を救うシビックハッカー アジアを代表するシビックハッカーである。シビックハッカーとは、国家や企業に頼らずプログラミングの技術で社会の問題を解決する市民技術者を指す。 彼女の名前は唐鳳(オードリー・タン)。生まれた時に両親がつけたのは男らしい唐宗漢という名前だっ

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わたしはわたし|東山彰良

わたしはわたし|東山彰良

著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、東山彰良さん(作家)です。 わたしはわたし 両親が広島大学に留学していたせいで、台北の祖父母の家に5歳まで預けられていた。 そのせいだろう、どんなに記憶の底をさらってみても、そのころの父に関する記憶がない。父のことで思い出せるいちばん古い記憶は、私たちが広島にいたときのものだ。日本へ引き取られたあと、私と妹は広島大学にほど近い保育園に入れられた。送り迎えはたいてい母がしていたのだが、その日はたまさか父が迎えに来てくれた

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追悼・李登輝「日本人より日本人らしく生きた97年」

追悼・李登輝「日本人より日本人らしく生きた97年」

親日家として日本にも大きな影響を与え続けた台湾の李登輝元総統が亡くなった。台湾の民主化に尽くし、中国共産党の暴虐に抗った一生涯だった。「日本と台湾は運命共同体だからね」。「民主の父」が語っていた日本への思いとは。/文・櫻井よしこ(ジャーナリスト) 「日本精神」 李登輝元総統はお会いする度に豊かな語彙で日本についての思いを語った。傍らで耳を傾ける曽文恵夫人を見ながら言った。 「家内が笑うのですよ。あなたは台湾の総統を12年もしたのに、日本のことばかり心配している、と言って

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「在任中に統一を実現」習近平の“台湾併合”極秘シナリオ

「在任中に統一を実現」習近平の“台湾併合”極秘シナリオ

習近平は現在67歳。国家主席の任期は撤廃したものの、年齢を考えると3期目が終わる2028年には引退する可能性が高い。習近平は「宿命」だと思っている。自らの手で台湾を統一することを――。そして日本は確実に巻き込まれる。/文・峯村健司(朝日新聞編集委員) 一国二制度に「死刑判決」 「2020年6月30日、香港が事実上、中国化された」―将来、世界史の教科書にはこう記されるかもしれない。 この日、国家主席の習近平は、「香港国家安全維持法」を公布した。これにより、中国政府が、香港

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