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#文藝春秋2020年4月号

数字の科学 ギガ|佐藤健太郎

サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。 今回の数字:ギガ=1,000,000,000 近頃、「動画を見るとギガが減る」「月末でギガがもうない」という言い回しをよく聞くようになった。何のことかと思ったら、携帯電話のデータ通信容量を「ギガ」と呼んでいるのだそうだ。本来、データ量の単位であったギガバイトが略されて「ギガ」となり、いつしかデータ容量そのものを表す言葉に転用されてしまったらしい。体重が減ることを「キロが減る」と言っている

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世界経済の革命児 ゴー・ハップジン|大西康之

ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、ゴー・ハップジン(Goh Hup Jin、ウットラムグループ総帥)です。 ゴー・ハップジン 日本企業を塗り替える「アジアの塗料王」 「アジアの塗料王」は日本人より日本の企業社会を知っている。シンガポール最大の塗料メーカー、ウットラムグループの総帥、ゴー・ハップジンが、日本の老舗企業を着々と改造している。 2019年1月、ハップジンは経済産業省と大げんかをして産業革

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船橋洋一の新世界地政学 コロナ・チェルノブイリ

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 コロナ・ウィルス感染が広がるにつれ、中国では米国で去年大ヒットしたドキュドラマ『チェルノブイリ』に関心が集まっているようだ。チャットルームでの書き込みには「自由な情報を保証するほうが空母や月面到着や超大国のパワーよりよほど人々の安全にとって頼りになる」との書き込みもある。 チェルノブイリは1986年4月26日、旧ソ連邦のウクライナで起こった史上最悪の原発事故である。4号機の原子

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馬場あき子さんのおふくろの話

著名人が母親との思い出を回顧します。今回の語り手は、馬場あき子(歌人)です。 2人の母をもつゆたかさ私の生みの母の記憶は、ほとんど写真に残されたものから構成されている。昭和3年、私を生んだ母はやがて結核を病んだ。当時結核はまだ不治の病とされ、その家の前を通るのも嫌がられていたらしい。母はそのことを自覚していて、私を祖母の手に委ね、ほとんど私を抱こうとしなかったと聞く。 いま写真として残っている母は、小康を得ていた時の記念に撮ったものという。いかにも繊細で知的な神経質そうな

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鎌田浩毅さんのオヤジの話。

著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、鎌田浩毅さん(京都大学教授)です。 好きなことより、できること道路会社の技術屋をしていた父は、あまり家に帰らなかった。機械部という部署に属し、会社の機械が故障しかけるとすぐに飛んでいった。家族の体調より機械の機嫌をずっと気に掛けていた。 帰宅すると自動制御という機械工学の本を読み、何やら紙に図面を描きながら細かく数字を書き込んでいた。パソコンはおろか電卓もない時代で、計算尺というプラスチック製の簡易器具を駆使して長大な計

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スターは楽し ソン・ガンホ |芝山幹郎

ソン・ガンホ ©Penta Press 重喜劇が似合う妖怪ソン・ガンホに似た俳優はいるのだろうか。見た目はともかく、体質の近い役者はいるのだろうか。アカデミー賞4冠に輝いた『パラサイト 半地下の家族』(2019)を見て、私はそう思った。 ソンはこの映画を支えた主演俳優だ。映画自体が2重底3重底のつくりだが、ソンの芝居も容易に底を割らない。1967年に韓国の慶尚南道金海市で生まれているから、年齢はそろそろ50代半ばだ。ダシの利いた味が深まっている。 イーライ・ウォラッ

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投手が甲子園で燃え尽きぬために|桑田真澄

文・桑田真澄(元プロ野球選手) 日本高等学校野球連盟は、第92回選抜大会(3月19日開幕)から全ての公式戦で1人の投手の1週間の投球数を500球に制限しました。 新たな1歩ですが、小さな1歩。これで終わったら小手先の改革に過ぎないでしょう。僕は高校時代に誰よりも連投し、誰よりも投げてきた。その経験からみて、週に500球では何も変わらないし、選手の身体を守るというゴールにはほど遠いというのが率直な感想です。 プロと高校生で、昨年夏の登板数と投球数を比較したデータがあります

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場所がつなぐ|田尻久子

文・田尻久子(オレンジ・橙書店店主) 「店に若い人は来るの?」と渡辺京二さんに依かれたことがある。私が営む店の経営を心配しているので、そんなことをおっしゃるのだ。 若い人も来ますよ、と答えると、渡辺さんは満足そうに、そうかそうかと相槌を打つ。そして、オルグしなさいよ、と言う。オルグって知ってるか? とニヤッと笑う。もちろん冗談だ。うちは組合でも組織でもない、ただの書店だ。ただの書店だが、渡辺さんにそそのかされて、幾人かの仲間と『アルテリ』という小さな文芸誌もつくっている。

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ヴォヤージュ・デュ・ショコラ|真野重雄

文・真野重雄(三越伊勢丹バイヤー) 1月27日から2月2日まで、新宿NSビルで催された「サロン・デュ・ショコラ2020東京」が、盛況のうちに幕を下ろしました。22カ国、126のブランドが集まり、数万人ものお客様にお愉しみいただきました。 サロン・デュ・ショコラは、パリで生まれたイベントです。伊勢丹(現:株式会社三越伊勢丹)の主催で行うようになったのは17年前。混雑緩和のために2018年から入場料をいただき、時間予約制を導入しました。海外から来る有名なショコラティエに一目会

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令和元年のその後|津村記久子

文・津村記久子(作家) 去年の令和元年はひどかった。というか令和元年という文字を入力するのは仕事も私用も併せてこれが初めてだ。「令和」も初めてかもしれない。普段は西暦しか使わないということもあるのだが、改元のただ中で嫌なことばかり起こったため、令和元年の個人的なイメージはすこぶる悪い。だから口にするのも書くのも嫌だった。でも「令和2年」は特に抵抗がないので、とにかく「令和元年」が嫌だったのだろう。 そういうわけなので、年が明けた時の解放感はかなりのものだった。終わった! 

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障害と感じるスポーツ|伊藤亜紗

文・伊藤亜紗(東京工業大学准教授) 障害は引き算ではない。たとえば目が見えない人は、目が見える人から視覚を差し引いた存在ではない。彼らは、聴覚や触覚を使って捉えられる、彼らならではの世界に生きているのだ。 道案内をしてもらうと、そのことがよく分かる。「パン屋の匂いがしたらあと30歩行ったところで右」「コンビニの自動ドアの音を確認したら、そのすぐ先の、縁石がちょっと欠けているところが建物の入り口」晴眼者が看板やランドマークを目印にして歩くところ、彼らは音印や匂い印、ときに触

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液体のりとiPhone|野本貴大

文・野本貴大(東京工業大学助教) 「どうして液体のりをがん治療に使おうと思ったのか?」と聞かれると冗談交じりに「安かったから」と答えることが多い。だが、ホウ素中性子捕捉療法という放射線治療に使用する薬(ホウ素薬物)に液体のりの成分(ポリビニルアルコール)をくっつけて治療効果を向上させようと発想したのは考えに考え抜いた結果だった。ホウ素中性子捕捉療法は、正常な細胞を破壊せず、がん細胞だけに作用できる優れた治療法だが、ホウ素薬物ががんから直ぐに消えてしまう欠点があった。 アイ

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ガンプラ、宇宙へ|野口聡一

文・野口聡一(宇宙飛行士) ホワイトベースのカタパルトデッキからガンダムが発進する――。そんな「機動戦士ガンダム」のワンシーンが、再現されようとしています。 既にニュースでも報じられていますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて、ガンダムのプラモデル、いわゆるガンプラが、宇宙空間から応援メッセージを発信する予定になっているからです。 この企画は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東京大学、大会組織委員会の共同プロジェクトで、「東京オリンピック・パラリンピッ

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「ふるさと納税争奪戦」が地方をつぶす!

豊富な返礼品と節税効果で人気のふるさと納税。だが今、その存在が揺らいでいる。寄付額は増加の一途をたどる一方で、「宅配クライシス」で返礼品が送れないのだ。その実態とは?/文・大西康之(ジャーナリスト) ソフトクリームだけで1億5000万円超 いま、「ふるさと納税」が揺らいでいる。2008年の制度開始以来、寄付額は増加を続け、2018年度には5100億円の寄付金が集まる巨大市場となった。努力次第で、人口わずか2000人程度の町であっても1億円単位の寄付金を集めることができるのが

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