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キーン先生の孤独|小池政行

キーン先生の孤独|小池政行

文・小池政行(青山学院大学法科大学院客員教授) ドナルド・キーン先生に初めてお会いしたのは、筆者が在フィンランド日本大使館の文化担当官の時、外務省の依頼でポーランド、当時のソ連、そしてフィンランドの講演にいらした時であった。コロンビア大学東洋学部の中心教授として多忙な日々を送られながら、ひとりの人間が成し遂げたことがいまだに信じられないような何巻にもわたる「日本文学史」を完成されつつある時だったと思う。 時は1981年の夏。この時からキーン先生の晩年にわたるまでの友情が生

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