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スターは楽し モーガン・フリーマン|芝山幹郎

スターは楽し モーガン・フリーマン|芝山幹郎

モーガン・フリーマン 濁りを恐れぬ受けの芝居 「あの娘は、自分がゴミだという事実だけを思い知らされて生きてきた」 名作『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)の序盤で、ひやりとするナレーションが聞こえる。 声の主は、モーガン・フリーマンが扮するスクラップという元ボクサーだ。スクラップは、うらぶれたボクシング・ジムに住み込んで雑用係をしている。ジムのトレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)は、かつてスクラップのセコンドを務めていた。タオルの投入が遅れたばか

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鷲田めるろさんのオヤジの話。

鷲田めるろさんのオヤジの話。

著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、鷲田めるろさん(十和田市現代美術館館長)です。 父と絵と 父は油絵を描いていた。私が幼い頃、父はまだ学生で、時間に余裕もあったのだろう。よく写生に連れて行ってくれた。父のキャンバス地の画材入れをよく覚えている。絵の具のチューブが乱雑に直接放り込まれ、様々な色が層になってこびりついていた。私も横で絵を描いた。学校用に買ってもらった12色の水彩絵の具の紙箱を捨てて、バッグに直接入れた。それが格好いいと思っていた。今から振り返

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船橋洋一の新世界地政学 コロナ“非接触経済社会”

船橋洋一の新世界地政学 コロナ“非接触経済社会”

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 コロナ・ショックの震源地の中国だが、その後武漢の感染を押さえ込んだとして、いまでは対コロナウイルスの先進国として、そしてその後感染拡大でもがき苦しむイタリアやスペインへの感染対応援助国として、登場しつつある。 市民の自由と個人の意思におかまいなしに全体の利益――中国共産党体制といってもよいが――を優先させる政治体制が、今回の危機では中国の強さとして作用している。中国共産党はいま

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世界経済の革命児 アンソニー・タン 大西康之

世界経済の革命児 アンソニー・タン 大西康之

ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、アンソニー・タン(Anthony Tan、Grab創業者CEO)です。 アンソニー・タン 孫正義が認めた東南アジアの「決済王」 レンタルオフィスの「ウィーワーク」、格安ホテルチェーンの「OYO(オヨ)ルームズ」、配車アプリの「ウーバー」。ソフトバンクグループは、主な投資先が次々と経営不振に陥り、4兆円超の資産売却に追い込まれた。傷心の孫正義社長の心の支えはいまや、

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2度目の東京オリンピック|戸髙一成

2度目の東京オリンピック|戸髙一成

文・戸髙一成(大和ミュージアム館長) 今年は東京で56年ぶりのオリンピックが行われるということであったが、新型コロナウイルス感染拡大の終息が見込めないまま。オリンピックの延期が発表され、残念な思いと同時に56年前の東京オリンピックの思い出がよみがえった。 東京でオリンピックが開催されることが決まり、突然のように東京中で煮えたぎるような工事が始まり、一気に首都高速や新幹線が出来た。土地の買収をする時間が無いために、首都高速は殆どが川の上に作られたのだが、日本橋の上に高速道路

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カブで全市町村走破|仁科勝介

カブで全市町村走破|仁科勝介

文・仁科勝介(在倉敷市・写真館勤務) 「誰にでもふるさとはある」そういう思いで旅をしてきた。だから昨今お笑い界を席巻した漫才コンビ、ぺこぱさんがM-1決勝で「間違いは故郷(ヒュルさと)だ! 誰にでもある!」とのセリフで日本列島の笑いをかっさらった瞬間、嬉しくて心の中でガッツポーズをした。 2018年から中断を挟み2年間、ホンダの大衆バイク「カブ」で、日本全国に1741あるすべての市町村を巡り、一つ一つを写真に収め、自作サイト「ふるさとの手帖」を更新していった。 そして旅

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さいたまに、夢のチームを|池田純

さいたまに、夢のチームを|池田純

文・池田純(Bリーグ埼玉ブロンコスオーナー) 横浜から、埼玉へ。 プロ野球から、プロバスケットボールへ。 この3月、私はBリーグ3部埼玉ブロンコスの株式の大半を取得し、オーナーシップを獲得しました。横浜DeNAベイスターズの初代社長を2016年まで5年務めて経営黒字化を達成した後、次の道を探す浪人生活を送っていましたが、3年ほど経って、ようやく新たな挑戦のステージに辿り着きました。 埼玉ブロンコスの活動は所沢市とさいたま市が中心で、私は1年前から一般社団法人さいたまス

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それはゆるされる旅でした|上出遼平

それはゆるされる旅でした|上出遼平

文・上出遼平(テレビプロデューサー) テレビ東京で『ハイパーハードボイルドグルメリポート』という番組を作ってもう3年。けれどこの名前にピンとくる方は多くないはず。なぜなら、日本では時折深夜に予告なく放送される程度で、皆さんの目に触れる機会はとても少ないから。しかし実は作る端から数多の言語の字幕がつけられ世界中に配信されている、少々変わった番組なのです。 タイトル通り、これはグルメのリポート番組です。しかしそのグルメというのがただの飯ではありません。例えばアフリカの小国リベ

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夢のプロ入り|折田翔吾

夢のプロ入り|折田翔吾

文・折田翔吾(棋士) 11歳で将棋にハマった。奨励会に入り、棋士を目指した。棋士になれたら、将棋を指してお金がいただける。憧れのトップ棋士とも対戦できる。そんな夢のような日々がおそらく一生続く。 しかし棋士になるためのハードルは恐ろしく高い。奨励会からプロである4段に昇段できるのは年間4名のみ。しかも26歳までに4段になれなければ強制退会だ。 15年間、生活のすべて、青春時代を将棋に捧げた。プロになれなければ人生が終わると思っていた。しかし、強制退会が近づくと、考え方が

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明るくて広い部屋|青山七恵

明るくて広い部屋|青山七恵

文・青山七恵(作家) 夏に引っ越すことにした。11年ぶりの引っ越しだ。今度の部屋はいまの部屋よりずいぶん広い。友人に間取り図を見せると、ひとりで住むには広すぎるという。さびしくなるかもよという。でも、いまよりもっと狭い部屋に住んでいたとき、いまよりわたしはさびしくなかったかというと、そんなことはない。さびしいという気持ちが、ひとひとりが空間に占める割りあいに関係してくるというならば、棺桶のなかがいちばんさびしくないということになる。 これまでに暮らした住居でいちばん広かっ

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