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塩野七生「コロナウイルス散見記」

塩野七生「コロナウイルス散見記」

文・塩野七生(作家・在イタリア) 4月12日、執筆中だった書き下ろしの550枚、脱稿。最後に「完」と書くときの気分は、50年が過ぎようとやはり格別。その後にいつもならば、「2020年・春、ローマにて」と書くのだが、今回は、「4月12日、コロナウイルスのおかげで外出厳禁中のローマにて」と書いた。だが、これが店頭に並ぶのは12月に入ってからだから8カ月後。多分、最後の1行は書き直すことになるだろう。 とまあこんな具合で、イタリアを襲ったロックダウン現象は、私個人にとっては少し

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