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「一人称単数」を読むと、筋の通らない物語を語りたくなる|岸田奈美

「一人称単数」を読むと、筋の通らない物語を語りたくなる|岸田奈美

村上作品の感想を書くと、なぜか自分の話ばかりしてしまう 文藝春秋さんから「『一人称単数』の書評をお願いします」と頼まれて、嬉々として引き受けた数分後に、わたしは唸りながら頭を抱えていた。 わたしは4月に刊行された「猫を棄てる 父親について語るとき」で、はじめて村上春樹作品を手にとった。わたしが彼の作品に長く手が伸びなかったのは、亡き父が熱烈なファンであったことに由来するのだけど、長くなるのでここで説明はやめておく。 ともかくその本に深く感動して、単行本を片手にしばらく放

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第81回「文藝春秋読者賞」を発表します !

第81回「文藝春秋読者賞」を発表します !

 第81回読者賞は昨年12月9日、選考顧問の片山杜秀氏、本郷和人氏、三浦瑠麗氏、弊社社長・中部嘉人の4名の立ち会いのもと、読者の皆さまの投票結果を踏まえて選考にあたり、下記のように決定いたしました。  村上春樹氏の「猫を棄てる」は、村上氏が初めて亡き父について綴った記事でしたが「戦争と人生について改めて考えさせられた」と読者から高い共感を得ました。  グレッグ・ケリー氏のインタビューは、自身も逮捕された、「ゴーン元会長事件」の真相を記したものでしたが「検察情報だけではわか

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