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日本の敗戦「フクシマ」と「コロナ」——走り出したら止まれない“この国の病理”|船橋洋一

日本の敗戦「フクシマ」と「コロナ」——走り出したら止まれない“この国の病理”|船橋洋一

政治家も官僚も「有事」からただひたすらに逃走する──。コロナの混乱は10年前のフクシマとあまりに酷似している。/文・船橋洋一(アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長) <summary> ▶︎日本は国民の安全と健康に重大な危害を及ぼす脅威に対する「備え」に真正面から向かい合っていない、そして政府はそのリスクの存在を認識していながら、備えに真剣に取り組んでいない ▶︎「小さな安心を優先させ、大きな安全を犠牲にする」、いわば“安心ポピュリズム”とでもいうべき集団思考と空気が

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「除染」の除染|玄侑宗久

「除染」の除染|玄侑宗久

文・玄侑宗久(作家・僧侶) 東日本大震災による福島第一原発の事故以後、新たに世に出た日本語に「除染」がある。それまでは専門家しか使わなかったはずだが、今では哀しいことに誰もが知る言葉になってしまった。 ある辞書によれば、除染とは「被曝により皮膚や衣服や機器などに付着した放射性物質を取り除くこと」とあるが、おそらく多くの人々が思い浮かべるのは土壌の除染ではないだろうか。困難で長引くため、すっかり耳や目に馴染んできたはずである。 除染の基準を巡ってはいろいろと揉めた。もとも

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【ルポ・廃炉最前線】現場を仕切る福島第一原発の「若き指揮官」たち

【ルポ・廃炉最前線】現場を仕切る福島第一原発の「若き指揮官」たち

3・11から今年で9年を迎える。事故が起きた福島第一原発は今、どうなっているのだろうか。実は、いま過酷な現場を仕切っているのは、かつて原発輸出を夢見た30代の若手技術者だった。その姿を追った――/文・森健(ジャーナリスト) 核燃料取り出しを遠隔操作で  それはあの震災から8年で辿り着いた一里塚だった。  8センチ幅で広げられる「爪」。その爪を使って溶け落ちた核燃料のデブリ(破片)をつかみ、動かした。2019年2月13日、福島第一原子力発電所の2号機でのことだ。 デブリ

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旬選ジャーナル<目利きが選ぶ一押しニュース>――三浦英之

旬選ジャーナル<目利きが選ぶ一押しニュース>――三浦英之

【一押しNEWS】満州から帰還した3.11の被災者/9月20日、朝日新聞(筆者=柳田邦男)  私は今、東京電力福島第一原発から北30キロにある福島県南相馬市で暮らしている。廃炉を含めた復興取材の「最前線」だ。日々手探りのようにしながら原発事故で甚大な被害を被った人々や自治体を取材している。  東京電力の旧経営陣だった3人に下された無罪判決は、福島県で暮らす人々に大きな衝撃をもたらした。翌日の朝日新聞を開くと社会面に大きく、政府の事故調査・検証委員会の委員長代理を務めた柳田

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