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イップスの正体|#5 佐藤信人(ゴルファー)

「パットの名手」と呼ばれた佐藤信人の名前が、日本ゴルフ界でぱたりと聞かれなくなったのは2003年以降のことである。佐藤は1997年から2002年にかけ9勝を挙げ、瞬く間にトッププロの仲間入りを果たす。しかし黄金期は、あっけなく終焉した。佐藤は「はっきり覚えているのは、2003年のANAオープン。パッ…

イップスの正体|#4 平孝臣(東京女子医科大学)

イップスは局所性ジストニア、つまり、脳の病気なのではないかとする説がある。東京女子医科大学の平孝臣医師は2000年1月に初めて局所性ジストニアの患者を手術してからというもの、これまで700件から800件、オペを施してきたという。平医師のオペは独特で、脳内の一部に電流を流した針を刺し、それに…

イップスの正体|#3 坂本竜介(卓球Tリーグ「T.T彩たま」監督)

★前回を読む。 ★最初から読む。 卓球は「回転のスポーツ」と呼ばれる。前後、左右と、あらゆる方向から回転をかけ、受ける方は相手の打ち方からその回転を読み、回転をかけ返す。その中で、互いに、およそ152.5×137センチの小さな台上に落し合わなければならない。手首の動かし方、力の強弱におい…

イップスの正体|#2 浅田斉吾(プロダーツ選手)

★前回はこちら。 スポーツは大まかに2種類に分けることができる。「起動のスポーツ」と「反応のスポーツ」だ。前者は自らが動き出さなければ始まらない競技で、ボウリングやダーツはその典型である。逆に、サッカーやテニスは後者に当たる。テニスはサービスのみ起動が求められるが、ひと度、打ち合…

イップスの正体|#1 島袋洋奨(元プロ野球選手)

文・中村計(ノンフィクションライター) ちょうど10年前、高校球界を席巻した1人のプロ野球の投手が、昨年秋、1勝も挙げられないまま静かにユニフォームを脱いだ。ソフトバンクの島袋洋奨である。 島袋は2010年、沖縄・興南高校のエースとして、春夏連覇を成し遂げた伝説の投手だ。全11試合で、他の…