マガジンのカバー画像

文藝春秋digital

月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「月あたり450円から」の「文藝春秋 電子… もっと読む
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス… もっと詳しく
¥900 / 月
運営しているクリエイター

#ローマ帝国

文藝春秋digital読者の皆さまへ、編集長より最後のお願い【「文藝春秋 電子版」1年無料プランのご案内】

5月31日、「文藝春秋digital」はクローズいたします。 これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。 先にもお知らせした通り、月刊文藝春秋のサブスクリプションは「文藝春秋 電子版」に一本化します。これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただいた皆さまには、突然のお知らせになったことを、改めてお詫び申し上げます。 「文藝春秋digital」のサービスが終了しますと、6月から皆さまに最新記事をお届けできなくなってしまいます

塩野七生 各人各句 日本人へ222

文・塩野七生(作家・在イタリア) 他の人のことは知らないが、私の場合の執筆の動機は、その人物の歴史上の重要度なんぞにはない。その人が言ったという一句に眼がとまり、このようなことを口にする男とはどんな人間であったのか、に興味を持ったことから始まるので、入り口は常に、学問的どころかすこぶる感覚的。 冬のある日、翌年の春に東征に発つと決めたアレクサンダーは、出陣の挨拶に旧師を訪れた。50歳に達していたアリストテレスは、今ではマケドニアの王になっているアレクサンダーの少年時代の教

塩野七生 人(国)みな本性を現わす 日本人へ特別編

「ギリシア人は神殿を建てるが、ローマ人は上下水道の完備のほうを優先する」とギリシア人自身が書いている。それゆえ古代のローマ人は、300年もの間、疫病に襲われなかった。キーワードは「清潔」だ。/文・塩野七生(作家・在イタリア) イタリアには2つの感染経路が戒厳令ならば大雪か雲が厚くたれこめているかでないと似合わないのに、ローマでは雲ひとつない快晴がつづいている。しかも気温は、まだ3月も終っていないのに完全に春。窓の下の桃も、花は散ってしまった。それでいて、外出は厳禁。この現状