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池上彰さんの「今月の必読書」…『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

池上彰さんの「今月の必読書」…『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

高学歴は自分の手柄ではない「運も実力のうち」とは言いますが、本書のような言葉はありません。ですが、本書を読むと、なるほどと納得の題名です。原書のタイトルは『能力の独裁』ですから、内容をうまく日本語に置き換えています。 偏差値の高い大学に入学した学生たちは、自分たちが努力したから難関を突破できたと思い込んでいるけれど、そもそも出発点から他の人とは違っていたのだ。自分が生まれた家庭や環境が、たまたま良かったから実力を発揮できたのだということを自覚すべきだ。これが著者のメッセージ

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【対談】池上彰×保阪正康「東京五輪と日本人」リーダーなき国の悲劇

【対談】池上彰×保阪正康「東京五輪と日本人」リーダーなき国の悲劇

池上彰(ジャーナリスト)×保阪正康(昭和史研究家) ▶昭和の終戦時から「今さらやめられない」を繰り返す ▶エリートのお家芸「主観的願望を客観的事実にすり替える」 ▶「危機の宰相」の明暗——日本は再び米英に敗北した 池上氏✕保阪氏 「このままじゃ、政治に殺される。」池上 東京五輪の開会式まで2カ月を切りました。菅義偉首相は「安心・安全な大会は可能」と繰り返していますが、5月以降、メディアが相次いで行った世論調査では、「延期」あるいは「中止」と回答した人が8割を超えるなど

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池上彰さんの「今月の必読書」…『NHKメルトダウン取材班 福島第一原発事故の「真実」』

池上彰さんの「今月の必読書」…『NHKメルトダウン取材班 福島第一原発事故の「真実」』

情報を更新することの大切さ大きな事件や事故が起きたときに当初報道された内容が衝撃的だと、その後新しい事実がわかっても、当初の印象が更新されないままになってしまう。 この本は、そのことに気づかせてくれます。東日本大震災から10年。この間、NHKは、NHKスペシャルなどで事故の実態解明や事故処理の問題点などを報道してきました。その番組づくりに携わってきたスタッフが、取材をまとめた集大成が、この本です。その分量の膨大さ。「完全保存版」というキャッチフレーズは出版社がつけたのでしょ

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マルクス「資本論」が人類を救う——〈ポスト資本主義は資本主義の胎内にある〉【斎藤幸平×池上彰】

マルクス「資本論」が人類を救う——〈ポスト資本主義は資本主義の胎内にある〉【斎藤幸平×池上彰】

いま『人新世の「資本論」』が読まれる理由。/斎藤幸平(大阪市立大学大学院准教授)×池上彰(ジャーナリスト) <summary> ▶︎「20世紀のマルクスの読み方」と「21世紀のマルクスの読み方」は違っていて当然。 ▶︎マルクスほど「資本主義の本質」を体系的に突き詰め、「資本主義に代わる世界」を思い描くためのヒントを与えてくれる思想家はいない ▶︎「資本主義が生み出す希少性」と「コミュニズムがもたらす潤沢さ」――この一見、逆説的な関係を見事に捉えたのが、マルクスの「本源的蓄積

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【半藤一利×池上彰】昭和史から学ぶリーダーの条件|東工大・池上ゼミの特別授業公開

【半藤一利×池上彰】昭和史から学ぶリーダーの条件|東工大・池上ゼミの特別授業公開

歴史探偵が若者たちに歴史を学ぶ意義を伝える/半藤一利(作家)×池上 彰(ジャーナリスト) <summary> ▶︎「ヤルタ会談」ほど人々がそうあって欲しいと期待した方向に、歴史は進まないことを教えてくれる出来事はない ▶︎理想とするリーダーに必要な条件は6つ。まず大事なことは「自分自身で決断すること」 ▶︎日本人が資料というものを大事にしない民族であることは、今も昔もずっと変わらない 出典:文藝春秋2018年8月号 「若い方にはいろいろ伝えたいことがある」 池上 私は教

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池上彰さんの「今月の必読書」…『毒殺 暗殺国家ロシアの真実』

池上彰さんの「今月の必読書」…『毒殺 暗殺国家ロシアの真実』

ソ連時代から続くロシアの“見せしめ” かつてのソ連には言論の自由がなかったけれど、いまのロシアには「言論の自由」がある。ただし、その後の生命の保障はない。 こんなブラックジョークがあるのが、プーチン政権下のロシアです。2020年8月、ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が旅客機内で体調が急変。いったんはロシア国内の病院に搬送されましたが、「ロシア国内では危険だ」という支援者の判断でドイツに移送されました。その結果、旧ソ連軍が開発した毒薬「ノビチョク」を盛られたことが

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コロナ下で読んだ「私のベスト3」 中国SF恐るべし|池上彰

コロナ下で読んだ「私のベスト3」 中国SF恐るべし|池上彰

新たな感染症の拡大を見ると、人間とは失敗を繰り返すものだなと痛感します。そこで手に取ったのがトム・フィリップス著、禰冝田亜希訳の『とてつもない失敗の世界史』です。 旧ソ連はアラル海に流れ込む川の流れを変えて砂漠で綿花を栽培しようとしました。その時点ではいいアイデアに見えたのですが、川の水が流れ込まなくなったアラル海は、みるみる小さくなり、消滅寸前。新たに塩分濃度の高い砂漠が出現し、砂嵐によって周辺住民の呼吸器を侵すことになりました。 オーストラリアに植民したイングランドの

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池上彰さんの「今月の必読書」…『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』

池上彰さんの「今月の必読書」…『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』

閉ざされた実態を明らかにした地道な取材 2017年から#MeToo運動がアメリカで始まり、瞬く間に日本を含む世界各国に広まりました。きっかけは、同年10月、アメリカの「ニューヨークタイムズ」が、ハリウッド映画界の大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインのセクハラを報道したこと。新聞報道を端緒にして、大勢の女性たちが「私も被害にあった」と名乗り出たことから「私も」というツイッターのハッシュタグが作られました。 憧れのハリウッド女優になるためには、大物プロデューサー

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池上彰がロシア大使を直撃! 「独ソ戦75周年」と「北方領土交渉」

池上彰がロシア大使を直撃! 「独ソ戦75周年」と「北方領土交渉」

プーチンのロシアの原点はナチス・ドイツとの死闘にあるとガルージン大使は語る。独ソ戦、プーチン大統領と憲法改正、平和条約、北方領土の返還……池上さんがロシア大使に様々な疑問をぶつけてみた。/M・Y・ガルージン(駐日ロシア連邦大使)×池上彰(ジャーナリスト) 高度経済成長期の日本が好き 池上 今年は、独ソ戦終結から75年の節目に当たります。ロシアの戦勝記念日の5月9日には、欧米や日本の首脳を招いた式典が首都モスクワで準備され、今年、就任20年を迎えるプーチン大統領にとって、威

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【全文公開】知の魅力を伝えるフィクション 池上彰さんの「わたしのベスト3」

【全文公開】知の魅力を伝えるフィクション 池上彰さんの「わたしのベスト3」

ジャーナリストの池上彰さんが、令和に読み継ぎたい名著3冊を紹介します。  大ベストセラーになったのは、活字版ではなくマンガ版。出版社の発想の勝利でしたが、高校生たちと、この本について話をしていたら、マンガ版は、文字通りマンガだけを読み、間に挟まれている活字の「おじさんの手紙」は読み飛ばしている生徒がいることを知って驚愕。活字をきちんと追って、考えながら読みましょう。  若い人には、自分の今後の生き方を考える本であり、昔若かった人には、自分の生き方を振り返ることができる名著

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