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#越智光夫

文藝春秋digital読者の皆さまへ、編集長より最後のお願い【「文藝春秋 電子版」1年無料プランのご案内】

5月31日、「文藝春秋digital」はクローズいたします。 これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。 先にもお知らせした通り、月刊文藝春秋のサブスクリプションは「文藝春秋 電子版」に一本化します。これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただいた皆さまには、突然のお知らせになったことを、改めてお詫び申し上げます。 「文藝春秋digital」のサービスが終了しますと、6月から皆さまに最新記事をお届けできなくなってしまいます

名将の若き日 越智光夫

 昨年のFIFAワールドカップ予戦リーグ、日本対スペイン戦直前にスポーツジャーナリストの二宮清純さんからメールが届いた。「勝てば森保一監督は世界の名将ですね」。思わず頷いた。愛媛の同郷である二宮さんは広島大学の特別招聘教授で毎年、新入生に講義をお願いしている。  ご存じのように、ドイツに続いてスペインを撃破。森保采配が一躍注目された。「サラリーマン監督のようだ」と揶揄された、試合中にメモを取るおなじみの仕草や、指笛を鳴らすスタイルも、一戦ごとに貫禄を増し、今や世界のマスコミ

エジプトと日本の絆|越智光夫

文・越智光夫(広島大学学長) 柔道家モハメド・ラシュワン氏は、エジプトの英雄だ。1984年ロサンゼルスオリンピックの柔道無差別級決勝で、現在のJOC会長である山下泰裕氏と金メダルを争い、最強最高の地位をめざし、まさに死力をつくした戦いを繰り広げた。ラシュワン氏は、山下氏が試合前に痛めていた右脚への攻撃に拘泥せず、結果として、戦いには敗れたが、「グッドルーザー」として高く評価され、国際フェアプレー賞を受賞した。 人生をかけた戦いでの駆け引き、勝敗をわける一瞬の機微、気合いは