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沈没船がつなぐ歴史ーー宮地ゆう

沈没船がつなぐ歴史ーー宮地ゆう

文・宮地ゆう(朝日新聞記者)  9月最後の週末、南北戦争の激戦地として知られるペンシルベニア州ゲティスバーグを訪れた。ここで、第2次世界大戦中に沖縄戦を戦った米兵の戦友会が開かれたためだ。集まったのは、沖縄県古宇利島の沖合に沈む米海軍の掃海艇「エモンズ」という船の乗組員4人と、遺族や子孫たちだ。  ホテルのロビーに着くと、何組かの家族が私を見つけて「元気だった?」と声をかけてきた。会長のアーマンド・ジョリーさん(97)は、「待っていたよ」と、抱きしめてくれた。  194

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