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文藝春秋digital

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#文藝春秋2021年2月号

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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隣人への想い|藤原正彦「古風堂々」

文・藤原正彦(作家・数学者) 芭蕉の最晩年の句に、「秋深き隣は何をする人ぞ」というのがある。晩秋の夜、誰かも分からない隣の人に想いを馳せる、という人間的ぬくもりのこもった名句である。日本の生んだ大数学者の岡潔先生は、この句に表われた「自分以外のものへのそこはかとないなつかしさ」こそが西洋人と違う日本人の情緒であり、彼の創造した画期的な不定域イデアル理論はこの句そのもの、と仰った。 岡先生の深遠さには及ぶべくもないが、隣の人に想いを馳せることにかけては、私も人後に落ちない。

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ほんの小さな思い遣り|塩野七生「日本人へ」

文・塩野七生(作家・在イタリア) アメリカ合衆国の大統領に決まったバイデン下の主要官庁のトップには、軒並みという感じで女たちが登用されるらしい。だがヨーロッパでは、EU政府の首相、ヨーロッパ中央銀行の長、この時期の当番国であるドイツの首相と、すでに3人ともが女で占められているのだ。 こうなってはわれわれ女も、男女差別があったからこその不利などという、盾の向うに逃げこむことも許されなくなった。チャンスは与えられたのだ。それを活用できるか否か、のみが問われる時代に、決定的に入

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クイズ「私は誰でしょう?」小さな大物

【ヒント】 占い師から転身。痛快なストーリーでヒットを連発する脚本家といえば?* 書く楽しみを覚えたのは小学生の時だった。 「1歳の頃から、寝る前に私が話したことを母がノートに書き取ってくれました。金歯に憧れて、『歯をピカピカに磨いて金色にしよう』とか(笑)。小学校に上がる頃、母に『自分で書きなさい』と言われ、思いつくままに書くようになりました」 その習慣は10歳で父を亡くして途絶える。再び書くようになったのは、19歳で母を亡くしてからだ。 「初めて書いた脚本は、

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目・耳・口|愛でて、味わって。全国の逸品たち

七味唐辛子の老舗による 新感覚のスパイス・チョコレート 長野県善光寺の老舗七味唐辛子店『八幡屋礒五郎』が手掛ける、スイーツブランドKongen Sweetsの『スパイス・チョコレート』(1枚、600円)。七味唐辛子で培ってきた技術を生かして焙煎したカカオや、美しい色合いのルビーカカオ、ホワイトチョコなどを、自慢のスパイスとミックス。柚子や山椒、紫蘇、唐辛子など七種類の素材をそれぞれに合うチョコレートで仕上げている。酒類とも相性が良いので辛党の男性にもおすすめだ。ミニチョコで

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筋肉は買えない|はな

文・はな(タレント・モデル) 子供の頃は、100円を片手に駄菓子屋に駆け込めば、買いたいものが全て手に入りました。すもも、ソースいか、あんず、スーパーボール。シルバー色にキラキラ輝く、100円玉。紙幣に描かれた聖徳太子よりも、伊藤博文よりも、誰よりも強い光を放ちながら、私が駄菓子屋を彷徨い続ける間、ギュッと握り締められていました。買い物が終わると、私の手の平はかすかに100円玉から移った金属の匂いが残り、当時は消毒せずにそのままお菓子を頬張っていたものです。100円玉に刻ま

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イタリアンシェフ・片岡護の恩返し「若いシェフが活躍できる環境を」

片岡護(かたおかまもる・イタリアンシェフ) 東京を代表する名店「リストランテアルポルト」のオーナーシェフ片岡護(72)の人生を決めたのは、ある外交官の一言だった。 「ミラノにいらっしゃい」 高校卒業後、浪人生活を送っていた折、外交官の金倉英一氏から総領事館付きの料理人として誘われた。 「幼い頃に父を亡くした僕にとって金倉さんは父親代わりの存在。料理人の経験はほとんどなく、イタリアでの5年間は毎日が修業でした」 帰国後の1983年、「アルポルト」をオープンさせると

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詩|服部みれい

ラブレターとつぜん届いたラブレターは とてもいびつな エクスペリメンタルミュージックであった 愛? それとも地中からのあたらしい衝動? わたしからの返信は YouTubeもSNSもつかわない 空中にある時空に そっと愛を飛ばす そんな未来的なやりかたです! 夢に乗って さあ、どこへいく? 今日も あちこちの空の間に間に 恋の原型が生まれている

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時空旅行の随伴者|星野博美

文・星野博美(ノンフィクション作家) 『旅ごころはリュートに乗って』(平凡社)という本を昨年の秋に上梓した。 リュートとはヨーロッパの古楽器で、洋梨を縦に割ったような形状の、棹が90度に折れ曲がった撥弦楽器である。先祖はアラブ世界のウードで、東へ渡って琵琶となり、西へ渡ってリュートになった。ルネサンス期にはヨーロッパで全盛期を迎え、「楽器の女王」と呼ばれるほど愛好された。直線と曲線が調和したその姿形は画家たちを魅了し、デューラーやティツィアーノ、エル・グレコやカラヴァッジ

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俳句|岡田一実

峰巒水音がひかりと見えて枯芒 水の面の落葉の層のほぐれくる 午後の日を鋭(と)き鳥ごゑや山眠る 餅搗の音に峰巒(ほうらん)のたたなづく 読初の文字の四角く組まれをり 寒禽の屢(しば)鳴く嘴の夥し 日脚伸ぶ手指を隈なく濡らす度

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横山やすしさんと渡哲也さん|西川きよし

文・西川きよし(タレント) 西川氏 2020年10月に文化功労者に選出されました。漫才の分野では初めてです。本当に大変驚きました。漫才は平安時代に始まった太夫と才歳という二人一組の芸が原型といわれて歴史は長いですが、歌舞伎や落語などたくさんの芸事がある上方では歌や舞の合間をつなぐ存在でした。それが今回、文化のひとつとして漫才師が仲間入りを認められ、「やったあ!」と飛び上がるほどうれしかったです。家内もよかったねと泣いていました。 早速、相方のやすしさんにも報告しました。

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短歌|井上法子

孤高顔のない鴎がきみを連れてゆく夕まぐれ もう泣き止んでいる にんげんは自分をせいいっぱいに好き。母父(おもちち)の小火のような微笑み 水はひかりに追い詰められて耀けり(気がするだけの賢さだ、まだ) 夕映えにひそむさみどりおもかげはおぼつかなくてあまりに無力 記憶はいつだって好き勝手あかねさすことのはも命運もやくたたず もう一度きり瞬いて花びらを、せめて香りを抱きとめて  ゆけ 陽に透かす血のすじ どんな孤独にもぼくのことばで迎え撃つだけ

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【座間9人殺害事件】白石隆浩の「10人目になりたかった」女性たち

死刑判決を聞いても彼女たちは「自分も殺されていればよかった」と語る。/文・渋井哲也(ジャーナリスト) <summary> ▶︎かつて白石と連絡を取り合った女性、美南さん(仮名)は「殺されていれば良かった」と語る ▶︎座間事件における白石と被害者のやりとりは、かつての「ネット心中」のやり取りと酷似する ▶︎「10人目になりたかった」と被害者に共鳴する人が複数いた。彼女たちが置かれた状況の深刻さを感じさせた ツイッターでやりとり 2020年8月上旬、埼玉県のある公園でアルバイ

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蓋棺録<他界した偉大な人々>

偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム。 ★一龍齋貞水講談師の六代目一龍齋貞水(いちりゅうさいていすい)(本名・浅野清太郎)は、若いときから講談界のホープとして期待され、講談の隆盛のために奮闘した。 2002(平成14)年、人間国宝に認定されたとき、「ちょっと困った」という。まだ62歳、これからだと考えていた。しかし、「これを機会にもっと挑戦しよう」と気持ちをすぐに切り替える。 1939(昭和14)年、東京の湯島に生まれた。父親は浅野宇晴と名乗る日本

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