文藝春秋digital

フランス歴史界でも模索されていた「トンデモ史観と専門主義の中間」

★前回の記事はこちら。 ※本連載は第3回です。最初から読む方はこちら。  『思想』3月号の特集「ナショナル・ヒストリー再考」を読んで、大いに刺激を受けた。ここで示されているフランスの現状を、ざっくり要約すればこうだ。評論家やジャーナリストが書いた愛国主義的な歴史本(『フランス人であ…

不毛な評論家叩きはそろそろ卒業せよ|辻田真佐憲

★前回の記事はこちら。 ※本連載は第2回です。最初から読む方はこちら。  評論家叩きは、SNS的言論の悪弊のひとつである。具体的に言えば、たとえば池上彰や佐藤優などといった著名人の発言を細かくチェックして「間違いだらけ!」と叩くことが、そこでは“知的”だと褒めそやされている。  しか…

東京五輪「中止」を前に、内なる「戦前」に自覚的であれ|辻田真佐憲

 いまこそ戦前を参照するべきときだ。その思いが日増しに強まっている。ほかでもない、新型コロナウイルスの感染拡大で、懲役刑の導入など、本格的に私権制限の枠組みが検討されつつあるからである。  気になるのは、巷間叫ばれているロジックだ。「ひとがこんなに亡くなっている」「現場はこんなに…