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文藝春秋digital

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#文藝春秋2021年3月号

文藝春秋digital読者の皆さまへ、編集長より最後のお願い【「文藝春秋 電子版」1年無料プランのご案内】

5月31日、「文藝春秋digital」はクローズいたします。 これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。 先にもお知らせした通り、月刊文藝春秋のサブスクリプションは「文藝春秋 電子版」に一本化します。これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただいた皆さまには、突然のお知らせになったことを、改めてお詫び申し上げます。 「文藝春秋digital」のサービスが終了しますと、6月から皆さまに最新記事をお届けできなくなってしまいます

日本列島「再エネ」改造論|小泉進次郎×古川元久×古川禎久

「脱炭素」は日本企業にとって大チャンス。世界を舞台に新ビジネスに挑め。/小泉進次郎(環境大臣)×古川元久(国民民主党国対委員長)×古川禎久(自民党衆議院議員) <summary> ▶︎菅政権で環境政策は進んでいる。2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言した ▶︎昨年12月に「国・地方脱炭素実現会議」を立ち上げた。国と地方が一体になって脱炭素へのロードマップを作っていく ▶︎自前で電力を作る自治体を次々に生み出す、「脱炭素ドミノ」を起こ

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『政治家の覚悟』菅義偉

コロナ禍があぶり出す各国の政治文化1月16日に毎日新聞と社会調査研究センターが行った全国世論調査によると、菅義偉内閣の支持率は33%に下落した。2020年12月12日に行った前回調査では40%だったので、7ポイント下落した。不支持率は57%(前回49%)だった。他社の世論調査でも菅内閣の支持率は40%前後に急落している。 〈毎日新聞の16日の世論調査で内閣支持率が33%まで落ち込んだことを受け、政府・与党は「30%を切ったら危険水域だ」(自民党幹部)と危機感を募らせている。

西川美和 ハコウマに乗って1 あとすこしほしい

あとすこしほしい今号からの新参です。読者の方には耳慣れないと思われるタイトルをつけたので、その説明から。 「ハコウマ」というのは生きた馬ではなく、演劇の舞台や映画の撮影現場で使われる、ベニア合板などで作られた木製の箱のことをいう。「馬」は踏み台を意味し、「箱馬」と書くようである。大きさはランドセルよりちょっと縦長、ハリウッドではリンゴの木箱に例えられ、「アップルボックス」とも呼ぶ。機材屋さんのホームページで確認すると、縦50センチ×横30センチ×高さ20センチのものを標準サ

司馬遼太郎『坂の上の雲』の日本語論 夏目漱石と正岡子規と秋山真之の「ことば」

司馬遼太郎の名作を読み解く短期集中連載の第3回。漱石と子規は、秋山真之とともに“近代日本語の創設者”だった。/片山杜秀慶應義塾大学教授×佐藤 優(作家・元外務省主任分析官) <summary> ▶︎司馬さんにとって、昭和の暗さの対極にある“明治の明るさ”を“遠望”するには子規は欠かせない存在だった ▶︎『坂の上の雲』は日本語論の視点から、もっと読み込まれてもいい作品 ▶︎真之などが作った、下士官が読んでも分かる“近代的日本語”によって初めて近代的な軍隊が“組織”として機能し

認知症、心疾患、がん……コロナ時代「健康の新常識」

外出が少なくなるコロナ時代、健康で過ごすには何に気を付ければよいのだろうか。専門医が教える「おさえるべきポイント」。/取材・構成=鳥集徹(ジャーナリスト) <summary> ▶︎【認知症】外出自粛が続くと、認知機能や認知機能を悪化させる「負のスパイラル」に陥る危険性がある ▶︎【心疾患】コロナ太りと不摂生で成人病予備軍が増えている。このままでは数年後に重症化する危険性も ▶︎【がん】コロナの感染がさらに拡大したら、がん診療にも制限がかかるかもしれない 「認知症」が接触減

「慰安婦判決」文在寅政権が招く日韓の破滅的未来

捏造された“事実”で日本を犯罪国家に仕立てる──こんなデタラメはなぜ韓国でまかり通るのか?/文・久保田るり子(産経新聞編集局編集委員・國學院大學客員教授) <summary> ▶︎「新基金で解決」という韓国側の提案は、条約も国際法も無視した闇取引。まるでマフィアのディール ▶︎裁判長の胸中には「日本を裁く」という結論が先にあった ▶︎反日を先導してきた文大統領は、反日賠償判決をさらに政治利用するに違いない 韓国はレッドラインを越えた日本統治時代の軍慰安婦を、「人道に対する

クイズ「私は誰でしょう?」小さな大物

【ヒント】 2004年、東洋人で初めてオン・ブロードウェイの公演を手掛けた演出家は?* 舞台への関心は、幼稚園児の頃から芽生えていた。 「宗家藤間流家元の藤間勘十郎さんの下で日本舞踊を習い、歌舞伎役者たちが真剣に稽古する姿を見て『大人の世界だ』と大興奮していました。発表会は歌舞伎座。『お夏狂乱』の演目で、僕が指さす方(扉頁)には、花道を通る藤間紫さんがいました」 演出家を志し、大学を中退。ダンサーや振付師として歩み始めた。 「母が亡くなった当日も舞台に立ちました。

倉本聰が見たコロナ禍 「北の国から」感じる日本崩壊の危機

news zeroメインキャスターの有働さんが“時代を作った人たち”の本音に迫る対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」。今回のゲストは脚本家の倉本聰さんです。 <summary> ▶︎SNSを見ていると、日本人は一体どうしてここまで品格のない民族になってしまったんだろうと思わずにはいられなかった ▶︎今年1月から医療従事者を支援するためのクラウドファンディング「結」を始めた ▶︎今のテレビマンにはオリジナリティを持てと言いたい。海抜ゼロから企画を考えて欲しい 倉本さん

詩|伊藤比呂美

鼓動旅立たないように風切羽を切った 初列風切を切り 次列風切を切り 念を入れて三列風切を切った それから尾羽を抜き、内趾だの外趾だの中趾だの ひとつひとつ折って、嘴を折った それからいっぱいに窓を開け 雲に届くくらい両手を突き出して 空の中に投げ込んでやったんだ

【医療現場報告】絶望の「重症者病棟」から——「どう? 診れる?」「正直、無理です」

「正直無理です」。ゴールが見えない闘いのなか、現場は疲弊している。/ 文・岡秀昭(埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科教授)、聞き手・河合香織(ノンフィクション作家) <summary> ▶︎重症者の受け入れについては、医療崩壊が起こっていると判断していい状態 ▶︎患者の希望を踏まえて入院の振り分けをする“自然なトリアージ”がおこなわれている ▶︎コロナ患者を日常的に診ている医師とそうではない医師の間で、状況判断にズレや分断が起こっている 岡氏 重症者の治

短歌|俵万智

領収書シャンパーニュ君と飲みしはどの冬か原美術館の閉館を知る オンライン授業垣間見してみれば源氏が女を垣間見ており 正しさが大暴落をする時代マスクの中に何か隠して もらい事故のように出てくるキスシーン息子と見ているテレビドラマに 二人に一人は癌の時代と聞きながらならないほうに自分を思う 遺伝子がコピーミスしてCANCERがDANCERになる如月の夜 領収書の整理をすれば令和二年「服飾」「交通」まこと少なし

徹底討論 「医療逼迫」犯人は誰だ|米村滋人×舛添要一×宮田俊男

世界一の医療資源がありながら、なぜ治療が受けられないのか。/米村滋人(東京大学大学院教授・内科医)×舛添要一(元厚生労働大臣・元東京都知事)×宮田俊男(早稲田大学理工学術院教授・医療法人DEN理事長) <summary> ▶︎日本は、病院同士の連携が弱く、しかも行政が介入する余地が小さい。そんな中でコロナが直撃した ▶︎今の医療制度には外部から人員を派遣する仕組みはない。そのためスタッフは限界寸前に陥ってしまった ▶︎日本医師会の動きが悪かった。政府に対策を求める一方で、医

【新連載】大相撲新風録 大栄翔|佐藤祥子

大栄翔(埼玉県朝霞市出身、追手風部屋、27歳)  突き押し一徹、 令和の“野武士”横綱白鵬をはじめ、コロナ感染者や濃厚接触者など、19名もの関取衆が休場した大相撲初場所。緊急事態宣言も発令されたなかでの未曾有の場所となったが、気を吐いて初優勝を果たしたのが、前頭筆頭の大栄翔(27)だ。初日から立て続けに三大関を撃破し、ストレートで勝ち越しを決める快進撃だった。 13勝2敗の成績で初賜杯を胸にした大栄翔は、「立ち合いに相手を起こして、突き押しも回転がよかった。自信になる