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「除染」の除染|玄侑宗久

「除染」の除染|玄侑宗久

文・玄侑宗久(作家・僧侶) 東日本大震災による福島第一原発の事故以後、新たに世に出た日本語に「除染」がある。それまでは専門家しか使わなかったはずだが、今では哀しいことに誰もが知る言葉になってしまった。 ある辞書によれば、除染とは「被曝により皮膚や衣服や機器などに付着した放射性物質を取り除くこと」とあるが、おそらく多くの人々が思い浮かべるのは土壌の除染ではないだろうか。困難で長引くため、すっかり耳や目に馴染んできたはずである。 除染の基準を巡ってはいろいろと揉めた。もとも

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