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短歌ーー東直子【全文公開】

赤い猫 車掌さん、車掌さん、と呼んでみる ガスの炎や煮えたぎる湯を 寿歌(ほぎうた)はひとりひとりの花野なり二両列車が遠くでひかる 昆布だしの泡動きつつ消えゆきぬ勝ち気な人が落ち着いている 赤い猫かわいがっていたよねとささやかれつつゆく隅田川 地下室と屋根裏部屋を感情がつなげて安…