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大相撲新風録 豊昇龍|佐藤祥子
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大相撲新風録 豊昇龍|佐藤祥子

豊昇龍 (モンゴル・ウランバートル出身、立浪部屋、22歳) 叔父・朝青龍の「金言」を胸に躍進元横綱朝青龍の甥にあたる前頭五枚目の豊昇龍が、先の名古屋場所で初の技能賞を受賞した。2020年9月に新入幕して以来、初の2桁勝利となる10勝をあげ、「メチャクチャ嬉しいです!」と、叔父を彷彿とさせる、茶目っ気溢れる笑顔を見せた。 その運動神経や、足腰のバネの強さと負けん気は叔父譲りだ。相撲界では細身とされる身長186センチ、体重131キロの体で繰り出す足技は、見るも鮮やか。モン

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大相撲新風録 若隆景|佐藤祥子

大相撲新風録 若隆景|佐藤祥子

若隆景(福島県福島市出身、荒汐部屋、27歳) 相撲一家に生まれた若武者約1年半ぶりの地方場所となる7月の名古屋場所。横綱白鵬が進退を賭けて臨み、大関照ノ富士が横綱取りに挑む場所でもある。話題満載の尾張の土俵に新小結として立つのが若隆景だ。 182センチ127キロの体はけして大きくないのだが、均整の取れた筋肉質の体型は、どこか昭和の時代の力士を彷彿とさせる。 祖父は元小結の若葉山で、幕下力士だった父を持つ“大波三兄弟”の3男坊だ。長兄は幕下力士の若隆元、次兄は十両の若

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大相撲新風録 遠藤|佐藤祥子

大相撲新風録 遠藤|佐藤祥子

遠藤(石川県鳳珠郡穴水町出身、追手風部屋、30歳) 寡黙な業師の大殊勲大関照ノ富士の連覇で幕を閉じた五月場所。優勝争いを独走する照ノ富士を脅かしたのが、前頭八枚目の遠藤だった。13日目に大関貴景勝に土を付けた遠藤は、14日目、成績の振るわない大関正代に代わって照ノ富士戦を組まれた。 土俵際で下手投げを打って照ノ富士の巨体をひっくり返し、際どい勝負となる。軍配は照ノ富士に上がったものの、行司差し違えで遠藤が勝ち星を拾った。マスク着用で声援も禁止されているはずの観客たちが

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大相撲新風録 宇良|佐藤祥子

大相撲新風録 宇良|佐藤祥子

宇良(大阪府寝屋川市出身、木瀬部屋、28歳) 異能力士の復活。好敵手と土俵を沸かす3度目の優勝を果たし、大関に復帰した照ノ富士が話題となった、3月の春場所。その裏で、十両の土俵ではファン待望の注目の一戦があった。身長176センチの小兵の業師である宇良と、同じく168センチの小兵で、甘いマスクでも人気を博す炎鵬の“初顔合わせ”だ。 2017年3月から幕内の土俵に上がった宇良は、その小さな体で居反りなどのアクロバティックな大技を見せる。技能力士ならぬ“異能”力士として“宇

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大相撲新風録 髙安|佐藤祥子

大相撲新風録 髙安|佐藤祥子

髙安(茨城県土浦市出身、田子ノ浦部屋、31歳) 届かなかった悲願。恩返しの日はいつ?大相撲春場所は、主役の座を照ノ富士に奪われた。一時は序二段まで番付を落としていた元大関照ノ富士が、3度目の賜杯を抱き、21場所ぶりに大関復帰を決める快挙を成し遂げたのだ。 12日目までは、同じく元大関の髙安が“主役”だったはず。昨年春場所で前頭に番付を落とすものの、十一月場所からは三役に復帰。両横綱不在の場所が続き、三大関の成績も安定しないなか、小結髙安が狙うは“悲願の初優勝”だった。

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大相撲新風録 照ノ富士|佐藤祥子

大相撲新風録 照ノ富士|佐藤祥子

照ノ富士(モンゴル・ウランバートル出身、伊勢ヶ濱部屋、29歳) 序二段から大関復帰の快挙を「大横綱でも味わったことのない楽しさを味わっているのかも。相撲人生を2回楽しんでいるというか――。新十両になった時とか、番付が上がっていく時って、みんなうれしくて心に残っていると思うんです。それを自分は2回楽しんでいる」 これは2019年末の言葉だ。序二段まで陥落した元大関照ノ富士が、幕下優勝を果たして十両復帰を確実にした。喜びを内に秘め、「目標はまだ先にある」と、さらに表情を引

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【新連載】大相撲新風録 大栄翔|佐藤祥子

【新連載】大相撲新風録 大栄翔|佐藤祥子

大栄翔(埼玉県朝霞市出身、追手風部屋、27歳)  突き押し一徹、 令和の“野武士”横綱白鵬をはじめ、コロナ感染者や濃厚接触者など、19名もの関取衆が休場した大相撲初場所。緊急事態宣言も発令されたなかでの未曾有の場所となったが、気を吐いて初優勝を果たしたのが、前頭筆頭の大栄翔(27)だ。初日から立て続けに三大関を撃破し、ストレートで勝ち越しを決める快進撃だった。 13勝2敗の成績で初賜杯を胸にした大栄翔は、「立ち合いに相手を起こして、突き押しも回転がよかった。自信になる

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