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いまこそ内政干渉を|藤原正彦「古風堂々」

いまこそ内政干渉を|藤原正彦「古風堂々」

文・藤原正彦(作家・数学者) 先日、コロラド州ボールダーのスーパーで銃乱射があり10名死亡、とのニュースを見て思わず声を上げた。このキングスーパーズは私の住んでいたアパートからほど近い、何度か買物もしたことのある店で、世界的数学者シュミット教授のお宅にお招ばれの時は右折(ガールフレンドのジャンの所に行く時は左折)の目印としていた所でもある。 アメリカが銃乱射の国であることは半世紀も前に耳にしていた。渡米を控えた私に、ペンシルバニア大学数学教室での事件について恩師のⅠ先生が

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悲劇を乗り越え大統領に ジョー・バイデン「たくましき男」の履歴書|藤崎一郎

悲劇を乗り越え大統領に ジョー・バイデン「たくましき男」の履歴書|藤崎一郎

悲劇を乗り越え、米大統領の座に就いた男の強みと弱み。/文・藤崎一郎(中曽根平和研究所理事長・元駐米大使) <summary> ▶バイデン大統領は、にこやかで常識的な人であるが、波乱万丈の人生を歩んできた古つわもの ▶議会の大ベテランだが、寝業師的な政治家でなく、表裏の無い人として知られてきた ▶「1期だけ」とか「後継云々」との議論が出れば、その瞬間に求心力を失い、いわゆるレイムダック化してしまうことはバイデンが百も承知だ。現時点ではやれるところまでやるという気持ちだろう

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コロナワクチン接種 アメリカの失敗「ラスト・ワンマイル問題」に日本が学べること

コロナワクチン接種 アメリカの失敗「ラスト・ワンマイル問題」に日本が学べること

ワクチン供給は大混乱。予約するまでが大変だ。/文・神谷秀樹(投資銀行家) <summary> ▶︎ロジスティクスは一般に、現場に接近すればするほど小分けになり人手がかかり困難さが増す。つまり最後の1マイルが難しい。米国のコロナワクチンは典型的な「ラスト・ワンマイル」問題に直面した ▶︎それ以外にも課題は多く、例えばワクチンを接種する際に必要なインターネットでの問診は、不慣れな高齢者にとって一人でできることではない 2回目の接種が滞っている アメリカでは、すでに2800万人

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「まるでGHQだ」3・11のトモダチ作戦に隠れた攻防……その時米軍は「日本再占領」に動いた

「まるでGHQだ」3・11のトモダチ作戦に隠れた攻防……その時米軍は「日本再占領」に動いた

トモダチ作戦に隠れた熾烈な攻防戦──10年後に明かされた驚愕の真実!/文・麻生幾(作家) ▶︎アメリカ軍は震災発生の直後から救助や生活支援の作戦を展開していた。だが、それとはまったく別のところで、密やかな“日米の熾烈な攻防”があった ▶︎「BCAT横田調整所」のチームは、日本がアメリカに統治される可能性について真剣に危惧していた ▶︎第7艦隊の作戦拠点である神奈川県・横須賀まで、部隊行動に影響があるほどの汚染が広がった場合を「重大決断」のタイミングだとアメリカ軍は認定した

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船橋洋一の新世界地政学 「人が政策」バイデン政権のアジア戦略

船橋洋一の新世界地政学 「人が政策」バイデン政権のアジア戦略

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 政権交代のたびに政治任用者が大挙して政権入りする米国はどこにもまして「人が政策(Personnel is policy)」である。バイデン政権ではどんな人が、外交・安保政策、なかでもアジア政策をつくるのか。 バイデン大統領 政策全般の理念と方向の筋立てを書き、政策の各省調整を行う大統領補佐官(NSA=国家安全保障担当)には44歳のジェイク・サリバンが就任した。オバマ政権(2期

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船橋洋一の新世界地政学 米国の“同盟カントリー・リスク”

船橋洋一の新世界地政学 米国の“同盟カントリー・リスク”

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 バイデン次期米大統領は、米国の世界への再関与と同盟重視を新政権の最重要外交課題に掲げている。バイデンは大統領選挙中、トランプ大統領の同盟軽視が米国の国際的な地位と影響力を著しく損なったと厳しく批判してきた。確かに、トランプはEU諸国を貿易上の「敵(foe)」呼ばわりし、米国のNATO脱退を匂わし、ドイツからの米軍撤退を進めるなど、同盟を弱めた。アジア太平洋でも米朝首脳会談の“取引

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コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」 疫病というメタファー|手嶋龍一

コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」 疫病というメタファー|手嶋龍一

コロナ・ウイルスは、尊い人命を奪い去り、大統領選びにも影を落として合衆国に深い亀裂を生じさせた。南北戦争の危機に直面したリンカーンは「分かれたる家は立つこと能わず」と訴え、祖国の分裂を避けるためなら、至高の信念である奴隷解放の歩みさえ遅らせた。だが、異形の大統領トランプは、リンカーンの国を「2つのアメリカ」に塗り替えてしまった。 西側の盟主アメリカは、ケナンを擁して壮大な対ソ戦略を立案させた。『ジョージ・F・ケナン回顧録』は、対ソ封じ込め戦略を提唱した戦略家の一瞬の栄光とそ

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コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」 米社会の「ファンタジー」|橘玲

コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」 米社会の「ファンタジー」|橘玲

トランプ時代のアメリカは、「なぜこんなひどいことになったのか」という疑問や不安にこたえようとする野心的な著作を生みだした。 ネットワーク論の世界的権威クリスタキスは『ブループリント』で、該博な知識を縦横無尽に駆使して「人間の本性」を検証した。その結論は、目の前の暗鬱な出来事にもかかわらず、ヒトの遺伝子には「よき社会をつくる青写真(ブループリント)」が埋め込まれているとのポジティブなメッセージだった。かつて進化生物学や遺伝学は「ナチスの優生学の再来」として忌み嫌われたが、リベ

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手嶋龍一さんが今月買った本10冊の本

手嶋龍一さんが今月買った本10冊の本

トランプ治世への警告本稿が刷りあがる頃には、米大統領選挙の結果が判明しているはずだ。だが開票を巡って訴訟合戦となり混乱に陥っているかも知れない。たとえどんな結果になろうと、トランプが米国の民主制に負わせた傷は深く、容易には癒えないだろう。異形の大統領は、「ジャスティス」の旗を掲げて建国されたこの国の威信を粉々に打ち砕いてしまったのである。

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武田徹の新書時評|過渡期にあるアメリカ

武田徹の新書時評|過渡期にあるアメリカ

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 この稿が読まれる時には第46代米国大統領が決まっているはずだ。だが、現職トランプ勝利で更に加速度をつけるか、民主党が政権奪還して別方向に切ろうとする舵に抵抗する惰性として残るかの違いこそあれ、米国の現勢がその未来に影響を及ぼすことはまちがいない。そこで今回は大統領選後の米国を考えるうえで役立つ、アメリカの現在を確かに描き出す新書3冊を選んでみた。 渡辺靖『白人ナショナリズム』(中公新書)はトランプ政権の

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