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文藝春秋digital

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#橘玲

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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橘玲 今月買った本 国家と歴史戦

国家と歴史戦「ウクライナをファシストから解放する」という名目で、ロシアは無謀な侵攻を開始した。だがプーチンは、いまや世界から「ファシスト」と批判されている。だとしたら、「ファシズム」とはいったい何だろうか? 『ファシズムとロシア』は、気鋭の歴史学者がこの問いに挑んだタイムリーな本。ソ連崩壊後、ロシアと新たに誕生した民族国家(新東欧)のあいだで「歴史戦」が勃発した。「ナチスとスターリンのソ連は同じ」という新たな歴史観へのロシア国内の反発が、現在の事態の背景にある。 『ウクラ

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橘玲さんが今月買った10冊の本

進化と承認 行動経済学を創始したダニエル・カーネマンは、市場参加者の判断・行動に一定の歪みがあることをさまざまな独創的な実験で示し、「合理的経済人」の前提を覆したことで、心理学者としてはじめてノーベル経済学賞を受賞した。 『NOISE』ではそのカーネマンらが、合理性を蝕む要因として、バイアスよりもさらに大きな「ノイズ」の存在を論じる。ノイズは判断のばらつきのことで、仮にすべてのバイアスをなくしたとしても、昼食の前か後かのようなちょっとしたちがいで、同じケースに異なる決定が下

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100年後まで読み継ぎたい100冊 橘玲「22世紀の“古典”」

文・橘玲(作家) 22世紀の“古典”100年後の日本人が昭和の時代を知ろうとしたら、どのような作品を手に取るだろうか。そんな視点で思い入れのある3冊を選んだ。 『金閣寺』は、終戦直後の鬱屈した社会を背景に、マイノリティ(吃音者)の主人公が美にとらわれ、狂気へと堕ちていく様が美しく硬質な日本語で描かれる。 『1973年のピンボール』は、高度成長期の日本社会の孤独と華やかさをスタイリッシュな文体で提示して、日本だけでなくアジアの若者に大きな影響を与えた。 『ポーの一族』は

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橘玲さんが今月買った10冊の本

希望と絶望人間の本性は「利他的(善)」なのに、「利己的(悪)」だと曲解されていると主張するのが『Humankind 希望の歴史』。これが「希望」なのは、すべてのひとが自らの善性に気づけば、それだけで社会はよくなるからだという。スタンフォード監獄実験など、定説とされた「性悪説」への批判は興味深いが、そんなうまい話があるのかとの疑問も湧く。 『目的に合わない進化』では、進化生物学者が、最新の知見を紹介しつつ、旧石器時代に数百万年かけてつくられた「人間の本性=脳の配線」が、現代の

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橘玲さんが今月買った10冊の本

よりよい世界古来、自らの手で「よりよい世界」をつくろうとした者は枚挙にいとまがないが、そのほとんどは悲惨な結果を招いた。 だがいま、人間の不合理性を前提にしたうえで、合理的に社会をデザインしようとする新しい“ユートピア思想”が台頭している。自由市場経済と共産主義(私有財産の否定)を合体する『ラディカル・マーケット』は、このメカニカル・デザインの最先端。話半分としてもきわめて魅力的で、近年、もっとも知的好奇心を刺激された一冊。 「知識社会における経済格差は“知能の格差”の別

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橘玲さんが今月買った10冊の本

事実と虚構の間連邦議会議事堂を占拠した熱烈なトランプ支持者のなかには、「ディープステイト(闇の政府)」がアメリカ社会を支配しているという陰謀論を信じる「Qアノン」なるグループがいるという。『エデュケーション』は、連邦政府が秘密結社に支配されているばかりか、いままさに大災厄によって世界の終わりが訪れると信じるモルモン教の原理主義者(サバイバリスト)の家庭に生まれた女性の物語。行政を拒否する父親によって高校までいちども学校に通えなかった著者は、自らの意志で大検を受けて大学に入学し

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コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」 米社会の「ファンタジー」|橘玲

トランプ時代のアメリカは、「なぜこんなひどいことになったのか」という疑問や不安にこたえようとする野心的な著作を生みだした。 ネットワーク論の世界的権威クリスタキスは『ブループリント』で、該博な知識を縦横無尽に駆使して「人間の本性」を検証した。その結論は、目の前の暗鬱な出来事にもかかわらず、ヒトの遺伝子には「よき社会をつくる青写真(ブループリント)」が埋め込まれているとのポジティブなメッセージだった。かつて進化生物学や遺伝学は「ナチスの優生学の再来」として忌み嫌われたが、リベ

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橘玲さんが今月買った10冊の本

米国の分断 黒人男性の死をきっかけにアメリカ各地で抗議行動の嵐が吹き荒れたが、感染症はそれ以前から進んでいたアメリカ社会の分断と混乱を顕在化させたにすぎない。それは世界の(そして日本の)明日の姿でもある。 アメリカにはヘロイン乱用者が100万人、鎮痛剤として処方されたオピオイドの乱用者が1000万人もいる。にわかには信じがたい数字だが、そもそもなぜ医師が処方する鎮痛薬でこんなことになるのか? それを地元のジャーナリストが追ったのが『DOPESICK』。製薬会社・医療業界の利

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【橘玲 特別寄稿】臆病者のための「コロナ時代の資産防衛術」

株、不動産、債券、金……プロでもお金が増やせない時代に私たちはどうするべきか。/文・橘玲(作家) <この記事のポイント> ●普通預金はコストをすべて銀行が負担してくれるきわめてすぐれた金融商品だ ●マイホームの購入は、レバレッジをかけた「投資」である ●リーマンショックのときもそうだったように、今回もオーソドックスな投資戦略の正しさが証明されるだろう サバイバル・バイアス 新型コロナで社会に不安が広がっている。給料やボーナスが減らされたり、仕事そのものがなくなってしまった

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【橘玲 特別寄稿】ヒトは「狡猾なウイルス」に試されている

新型コロナウイルスは世界中を大混乱に陥れた。感染症は本質をあぶりだす。ヒトの本性や社会の仕組みが浮き彫りになった。そしておそらく、これからもっと驚くようなことが起こるだろう。/文・橘玲(作家) 社会の本質があぶりだされた今年はじめ、ひとびとがなにに夢中になっていたか覚えているだろうか? 欧米では、「大人が私の未来をだいなしにしようとしている」と叫ぶスウェーデンの少女が大人気になり、気候温暖化で人類が滅びるのを防ぐべく、CO2(二酸化炭素)を大量排出する航空機に乗らない「飛

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橘玲さんが今月買った10冊の本

快感は論理に 20世紀の科学の最大のパラダイム転換のひとつが、進化論で起きたことは疑いない。DNAの二重らせんの謎が解かれ、生き物の生存・生殖戦略がアルゴリズムとして記述できるようになったことで、生物学は根本的に書き換えられた。  これを人間に拡張すると、私たちのよろこびやかなしみ、愛や憎悪も「利己的な遺伝子」が自己の複製を最大化するための戦略になる。こうして1970年代後半に、アメリカで「社会生物学論争」が勃発した。  ところが日本のアカデミズムは、この重大な出来事を無

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【全文公開】意識や感情も進化の産物 橘玲さんの「わたしのベスト3」

作家の橘玲さんが、令和に読み継ぎたい名著3冊を紹介します。  ダーウィンの進化論から1世紀、1953年にワトソンとクリックがDNAの二重らせんを発見し、遺伝の仕組みを解明したことで、生き物の生態をプログラム(アルゴリズム)として記述できるようになった。これが「現代の進化論」で、知の巨大なパラダイム転換を引き起こした。  リチャード・ドーキンスの世界的ベストセラー『利己的な遺伝子』は、この“革命”を一般読者に向けてわかりやすく解説した記念碑的著作。遺伝子の「目的」は自らの複

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橘玲さんが今月買った10冊の本は?

4名の優れた「読み手」が、今月買った本を特別に教えます。今回の担当は、作家の橘玲さんです。

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