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文藝春秋digital

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#片山杜秀

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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片山杜秀 「内なるナチ」の蛮行を暴く 「同胞 リトアニアのホロコースト 伏せられた歴史」(R・ヴァナガイテ/E・ズロフ著 重松尚訳)

「内なるナチ」の蛮行を暴く“命のビザ”。日本の外交官、杉原千畝が、リトアニアの在カウナス領事代理として、1940年の夏、ユダヤ人の難民に発行し続けた通過査証のことをこう呼ぶ。前年秋、第二次世界大戦が勃発。ドイツに侵攻されたポーランド方面から、主にユダヤ人の難民が、近隣のリトアニアに殺到した。もっと先へ逃げたい。命のビザが数千人のユダヤ人を救った。 本書は主にその直後のリトアニアの物語。かの国は長年、ロシア帝国に組み込まれていた。第一次世界大戦後、久々に独立。だが、40年6月

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片山杜秀「核の選択」清水幾太郎を読み直す

42年前、日本の核武装を訴えた知識人がいた──。/文・片山杜秀(慶応義塾大学教授) 片山氏 戦後のタブーに触れた日本には核兵器が必要だ。世界の現実を前にすればあまりに明らか。それなのに「非核三原則」になおこだわるのか。平和主義的・性善説的夢物語にとらわれず、この世のありのままを素直に見よう。 最近の情勢に触発されての台詞ではない。もう40年以上前にそう宣言した人が居た。清水幾太郎という。戦後日本のオピニオン・リーダーのひとりにして、社会学の泰斗。彼は、1980(昭和55

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【フル動画】片山杜秀×先崎彰容 対談「『核の選択』清水幾太郎を読み直す」

◆「一人前の国家」とは何か?4月22日(金)19時より、政治思想研究者の片山杜秀さんと批評家の先崎彰容さんによるオンライン対談イベント「『核の選択』清水幾太郎を読み直す」を開催しました。 《アーカイブ動画はこのページ下部にあります》 片山さんは『文藝春秋』2022年5月号にて論考「『核の選択』清水幾太郎を読み直す」を発表しました。戦後日本のオピニオン・リーダーのひとりにして、社会学の泰斗であった清水幾太郎は、40年以上前に《日本には核兵器が必要だ》と書きました。 「核兵

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片山杜秀さんの「今月の必読書」…『白から黄色へ ヨーロッパ人の人種思想から見た「日本人」の発見』ロテム・コーネル

肌の色はいかにして“人間の尺度”になったかイスラエルの碩学による驚異の日本研究だ。より正確に言えば、西洋が日本人をどうイメージしたか、その変遷史である。微に入り細を穿つ。徹底ぶりに脱帽だ。 まずは書名に注目! 『白から黄色へ』。白人から黄色い日本人へのメッセージなのか。全く違う。歴史を遡れば、日本人は初め西洋に白人として紹介されていたのだ。もちろん名誉白人なんて話ではない。マルコ・ポーロは『東方見聞録』に、ジパングには白い肌の人間が住むと書いている。だからと言って、日本人が

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北一輝 西洋を打倒するために 片山杜秀 100周年記念企画「100年の100人」

国家社会主義者の北一輝(1883~1937)が著した『日本改造法案大綱』は戦前右翼のバイブルとなった。その影響力を政治思想史研究者の片山杜秀氏が分析する。/文・片山杜秀(政治学者) 片山杜秀 100年前の1921年9月28日、社会運動家、朝日平吾が、大資本家、安田善次郎を暗殺し、その場で自殺した。遺書には北一輝の『日本改造法案大綱』の影響がみられる。この事件が昭和の血盟団事件や五・一五事件へとつながり、1936年の二・二六事件に至る。失敗したクーデターだが、首謀グループに

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100年後まで読み継ぎたい100冊 片山杜秀「この国の不安定な生きざま」

文・片山杜秀(慶應義塾大学教授) この国の不安定な生きざま日本は決して穏やかに生きられぬ国である。場所のせいだ。ロシアと中国がすぐ隣で、何かと角が立ちやすい。領土問題が何よりの証拠だ。東側には太平洋を挟んで米国がある。米国を意識しないでいられた19世紀までは、極東の島国としていざというときは鎖国でもすれば何とかなったが、百数十年前の黒船来航以来、そうも行かなくなった。 そこで張り合おうとしはじめたのだが、相手は世界的大国ばかりである。どんなに日本が力を付けても、どうしても

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片山杜秀さんの「今月の必読書」…『鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学』菅豊

日本人の“鳥肉食文化”の小百科全書能に『善知鳥』なる演目がある。ウトウと読む。鳥の名という。シテは奥州の外ヶ浜の猟師の亡霊。「善知鳥を獲り続けた罪で、あの世で自分は雉にされ、善知鳥の化けた鷹に狩られている」と語り、地獄の責め苦を見せる。『善知鳥』の物語は文楽や歌舞伎の『奥州安達原』にも応用されている。善知鳥文治という侍が、禁制の鶴を密猟し、酷い目に遭う。 どちらも、殺生を悪とする仏教のおしえを踏まえた、鳥を巡る因果応報譚だろう。そんな物語が、能なら室町時代、文楽や歌舞伎なら

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緊急座談会《危機のリーダーの条件》 第4章 戦後復興から米中対立「民主主義は独裁国家に勝てるか」吉田茂、岸信介、安倍晋三、トランプ、習近平

日本を救えるのは誰か?明治維新から米中対立まで、全5時間の大討論!/葛西敬之(JR東海名誉会長)、老川祥一(読売新聞グループ本社会長)、冨山和彦(経営共創基盤グループ会長)、片山杜秀(慶応大学教授) (左から)葛西氏、老川氏、冨山氏、片山氏 戦後に現れた指導者たち——最後の第4章では、戦後から現代にかけての指導者たちを見ていこうと思います。戦時中の日本では、現実を客観視できず、的確な判断ができなかった指導者が目につきました。しかし戦後には、戦後処理や復興を一手に担った吉田

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緊急座談会《危機のリーダーの条件》 第3章 第2次世界大戦「勝敗を分けた決断力と知性」 近衛文麿、東條英機、チャーチル、ドゴール、ヒトラー

日本を救えるのは誰か?明治維新から米中対立まで、全5時間の大討論!/葛西敬之(JR東海名誉会長)、老川祥一(読売新聞グループ本社会長)、冨山和彦(経営共創基盤グループ会長)、片山杜秀(慶応大学教授) (左から)葛西氏、老川氏、冨山氏、片山氏 日本の敗因はどこに?——世界的な危機となった第2次世界大戦に話題を移したいと思います。明治維新による近代化を成し遂げた日本は、日清戦争、日露戦争までは上手く国家を運営できているように見えました。ところが第2次世界大戦前から、徐々に国家

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緊急座談会《危機のリーダーの条件》 第2章 明治維新「人材発掘とグランドデザイン」大久保利通、西郷隆盛、山縣有朋、伊藤博文、勝海舟

日本を救えるのは誰か?明治維新から米中対立まで、全5時間の大討論!/葛西敬之(JR東海名誉会長)、老川祥一(読売新聞グループ本社会長)、冨山和彦(経営共創基盤グループ会長)、片山杜秀(慶応大学教授) (左から)葛西氏、老川氏、冨山氏、片山氏 明治維新の原動力とは?——ここからは時計の針を大きく巻き戻したいと思います。コロナ禍において、有事に対応できない国であることを露呈してしまった日本ですが、かつての明治維新では凄まじいスピードで「国のかたち」を作りかえました。その意味で

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緊急座談会《危機のリーダーの条件》 第1章 コロナ危機「言葉の力とゼロリスク神話」菅義偉、ジョンソン、メルケル、アーダーン、マクロン

日本を救えるのは誰か?明治維新から米中対立まで、全5時間の大討論!/葛西敬之(JR東海名誉会長)、老川祥一(読売新聞グループ本社会長)、冨山和彦(経営共創基盤グループ会長)、片山杜秀(慶応大学教授) (左から)葛西氏、老川氏、冨山氏、片山氏 首相の退任というさらなる非常事態——新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界は想定不能の危機を迎えています。こうした非連続の「有事」に際して、指導者の資質、能力の差が如実に表れました。世界では、ニュージーランドのアーダーン首相、ドイ

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片山杜秀さんの「今月の必読書」…『書き取りシステム1800・1900』

分裂したロゴスの中に読み解く近代の病理「はじめにロゴスありき」。『新約聖書』の「ヨハネによる福音書」の冒頭である。古典ギリシア語のロゴスをドイツ語で何と訳すか。ゲーテの戯曲『ファウスト』でファウスト博士は苦悩する。ロゴスと言えば普通は論理と訳すかもしれない。論理は必ず言葉で表現されるから、論理的な言葉と訳した方が丁寧とも言える。でも、それではもの足らない。だって福音書なのだから。 キリストの言葉、即ち福音は、十分に論理的でもあるが、決して冷たく形式的ではない。愛に満ちている

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片山杜秀さんの「今月の必読書」…『デヴィッド・ボウイ 無(ナシング)を歌った男』

孤独な少年の、帰る先なき、上昇と下降の永劫の循環運動男の子は宇宙に飛翔する。1人乗りの屹立したロケットで。フロイト主義で簡単に解釈できる、男の子の欲望の1960年代的かたちだ。61年にガガーリンが1人乗りのボストーク1号で宇宙に行き、69年には3人乗りだけれどアポロ11号が月面に到達した。 日本ではその時代に『ぼくのクレヨン』という童謡も生まれたっけ。「おひさまはあか、そらはあお」。そんな日に鼠色のロケットが発射される。乗り組むのは「ぼく」ひとり。「てをふるママはたちまちま

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