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文藝春秋digital

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#佐藤優

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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佐藤優「ベストセラーで読む日本の近現代史」事例研究に裏付けられたお金の小説 原田ひ香『三千円の使いかた』

事例研究に裏付けられたお金の小説ウクライナ戦争で国際的にエネルギー価格や穀物価格が上昇した影響が日本にも及び始めた。 〈七月の消費者物価指数(二〇二〇年=一〇〇)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞいた総合指数が一〇二・二で、前年同月より二・四%上がった。上昇幅は一四年一二月以来の大きさで、消費増税の影響があった期間をのぞくと〇八年八月以来だ。資源価格の上昇によるエネルギー関連や食料の上昇が続いている。/総務省が一九日、発表した。一一カ月連続の上昇で、二%を超えるのは四カ月連続

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佐藤優 複雑怪奇な国際政治を冷静に分析「ベストセラーで読む日本の近現代史108」『国際政治』高坂正堯

複雑怪奇な国際政治を冷静に分析 ウクライナ戦争が長期化している現状で、日本の国家戦略を誤らないためにも本書を熟読する必要がある。京大教授をつとめた高坂正堯氏(1934~96年)は、現実主義(リアリズム)の立場から国際政治を分析した優れた知識人だ。高坂氏は国際関係とは、「価値の体系」「利益の体系」「力の体系」が複雑に絡み合った動的体系と考える。 〈各国家は力の体系であり、利益の体系であり、そして価値の体系である。したがって、国家間の関係はこの3つのレベルの関係がからみあった複

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佐藤優 茶トラ猫とホームレスの友情を描いた実話「ベストセラーで読む日本の近現代史107」『ボブという名のストリート・キャット』ジェームズ・ボーエン

茶トラ猫とホームレスの友情を描いた実話ウクライナ戦争の影響で日本でもコストプッシュ型のインフレが起きている。インフレは社会的に弱い状況に置かれた人々を直撃する。作家で社会活動家の雨宮処凜氏は貧困問題に取り組む中で、行き場を失った人とペットの支援をしている。一般社団法人「反貧困ネットワーク」が2020年6月に「反貧困犬猫部」を立ち上げたときから、彼女はそのメンバーとして活動している。記者の取材に雨宮氏はこう答えている。 〈――支援に関わったきっかけは。/「20年5月、『私も犬

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日本左翼100年の総括③ 池上彰×佐藤優 しのびよる左翼の時代 地球環境と世界戦争の危機を前に、共産主義は甦るか?

池上彰(ジャーナリスト)×佐藤優(作家・元外務省主任分析官) ★前回を読む。 池上氏(左)と佐藤氏(右) 経済格差と世界戦争池上 では今後、私たちはどのように左翼思想と付き合うべきか? 最後にこの点を考えてみましょう。 冒頭で佐藤さんがご指摘のように、経済格差の拡大と世界戦争の危機という現在のトレンドをみると、ふたたび左翼思想が台頭してもおかしくない時代が到来しつつあります。いや、すでにその兆候が現れている。 先ほど触れたように一つは斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」

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日本左翼100年の総括② 池上彰×佐藤優 日本の左翼 百年間の黒歴史 闘争、リンチ、内ゲバ、そして自己正当化…

池上彰(ジャーナリスト)×佐藤優(作家・元外務省主任分析官) ★前回を読む。 池上氏(左)と佐藤氏(右) 左翼は「全人民の武装化」を目指す 池上 さて、ここからは時代を遡り、日本における左翼思想100年間の歴史を遡ってみたいと思います。 その前に、普段なにげなく使っている「右翼」「左翼」の語源について、確認しておきましょう。これはフランス革命期の1792年に招集された国民議会に由来します。議長席から見て左側には、王権をアンシャン・レジーム(旧体制・時代遅れ)と見なして打

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日本左翼100年の総括① 池上彰×佐藤優 なぜ日本に健全な野党が根付かなかったのか? 共産党、社会党、新左翼……彼らは何を残し、何を壊したのか

池上彰(ジャーナリスト)×佐藤優(作家・元外務省主任分析官) 池上氏(左)と佐藤氏(右) 凄惨を極めた左翼の内ゲバ池上 この7月15日に日本共産党は結党100周年を迎えます。全国の党員は公称約27万人ですが、かつて50万人近くいたことを考えると、相当減りました。機関紙「赤旗」の購読者数も100万を割り込み、すっかり左翼に元気がなくなったように見えます。 佐藤さんと私は昨年上梓した『真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945─1960』、『 学生運動と過激派 1960─1

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佐藤優 ウクライナ戦争への視座を与える「ベストセラーで読む日本の近現代史106」『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里

ウクライナ戦争への視座を与えるロシア語会議通訳で、エッセイスト、小説家だった米原万里氏(1950年4月29日~2006年5月25日)が亡くなってから16年が過ぎた。米原氏の作品は、現在も多くの人々に読み継がれている。その中で、第33回大宅壮1ノンフィクション賞(2002年)を受賞した『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を取り上げたい。 日本共産党幹部の長女だった米原氏は、小学校3年から中学2年(1959~64年)までチェコスロバキア(当時)の首都プラハにあったソビエト学校で学ん

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佐藤優 ベストセラーで読む日本の近現代史105『帝国主義』レーニン ウクライナの情勢理解を深めるために

ウクライナの情勢理解を深めるために今年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は世界史の分岐点になった。ロシアのプーチン大統領はこの侵攻を「特別軍事作戦」と呼んでいるが、客観的に見れば戦争だ。 この戦争に関して、世界のほとんどの人々は、国という切り口から見ている。そして、戦争の当事国であるウクライナ、ロシアのみならず、日本を含むそれ以外の国民も、意識的もしくは無意識のうちに、自己を自国の立場と一致させて考えている。 自衛隊を憲法違反とする日本共産党ですら4月7日の参議院選挙

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佐藤優 ヘーゲルを通してプーチンの思考を読み解く ベストセラーで読む日本の近現代史

ヘーゲルを通してプーチンの思考を読み解く 2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は歴史を画する事件になった。ロシアの侵攻を力で阻止するためには、米国が地上軍を含む正規軍をウクライナに派遣しなくてはならない。そうなると第3次世界大戦に発展する可能性がある。米国が核戦争のリスクをはらんだ派兵に踏み込めないと読んでロシアのプーチン大統領は戦争を決断したのだ。岸田文雄首相は、米国と連携し、ウクライナを支援する腹を括った。ロシアに対してもG7諸国(日米英独仏伊加)で連携してかつてない制

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佐藤優「白い巨塔」ベストセラーで読む日本の近現代史103

医学部のモラルハザードを扱った古典 日本の医学界の封建的構造、大学病院勤務医と開業医の対立、人事を巡る医学部のモラルハザードなどを扱った社会派小説の古典だ。もっとも医学界だけでなく、中央省府、難関大学には現在も『白い巨塔』で描かれたような人事抗争が起き、封建的構造が残っている。 黒川五郎は岡山県の貧農の出身で、父親が早く他界したこともあり、母親によってたいせつに育てられた。五郎は苦学して浪速大学医学部を卒業した。学業を続けるには経済的裏付けが必要だ。母親は五郎に大阪の遣り手

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『太平洋戦争(上)(下)』児島襄

「コロナ敗戦」と「太平洋戦争敗戦」「コロナ敗戦」という言葉を耳にする。戦争は人間が相手で、コロナウイルスという自然現象を対象にする戦いを戦争と類比的(アナロジカル)に論じることが適切かという問題は残るが、パンデミック対応で日本の構造的宿痾が露見した点では、太平洋戦争との比較には意味がある。 戦前、日本の陸海軍は巨大な官僚機構でもあった。政府と軍の官僚機構が機能不全を起こしたところに太平洋戦争敗戦の一因がある。コロナ対策でも日本の官僚機構は機能不全を起こしている。 〈米国の

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『トロツキズム』 川上徹・山科三郎編

日本共産党を分析するための最良の資料 1991年12月のソ連崩壊によってフランス、イタリアなど欧米先進資本主義国の共産党は崩壊してしまった。対して日本共産党は、現在も国会に議席を有する国政のプレイヤーとして機能している。日本共産党の強さを分析する上で、本書は最良の資料だ。 1980年代半ばまで、日本のマルクス主義陣営は、社会党左派(労農派マルクス主義)、日本共産党、新左翼の3つに分かれて切磋琢磨していた。新左翼のことを警察は「極左暴力集団」「過激派」、日本共産党は「トロツキ

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史 『東條英機 「独裁者」を演じた男』一ノ瀬俊也

知られざる戦争指導者の実像コロナ禍の危機にあるにもかかわらず、日本の政界は緊張感に欠けている。当事者にとっては深刻だが、国家や国民とは関係ない権力闘争に明け暮れている。 もっとも太平洋戦争中も日本は2度も首相が交替している。総力戦体制の確立に努め、対米英戦争に日本が踏み切ったときの首相だった東條英機(1884年12月30日生~1948年12月23日没、41年10月18日~44年7月22日首相)の生涯を見ると、今日にも共通する日本の政治文化がわかる。まず、東條は知識人からは人

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