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#新聞

新聞エンマ帖「検察報道はなぜ『甘い』のか」

★「記憶の風化」を自ら体現日本の新聞はとにかくメモリアルが大好きなようだ。昨年も、3月の東日本大震災から「10年」に始まり、12月の日米開戦から「80年」まで、節目に伴う回顧記事がどっと紙面に溢れた。記憶の風化をとどめる努力は大切とは思うが、とりわけ「80年」の方は、あまりにも似た題材と切り口、結論に終始する記事ばかりで、効果のほどが不安になる。 各紙1面の名物コラムが「共演」する様は摩訶不思議だ。なんと5紙のうち3紙までが演劇人か映画人ないしは映画をネタとして始まり、似た

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新聞エンマ帖〈報道にもの申す〉

★記者の原点を思い出せ歴史的な偉業に対する歴史的に無惨な記者会見だった。少なくとも、絶好機に溜息しか出ない空振り三振である。 今季のアメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)に輝いた大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手に対し、日本記者クラブが発表直前の11月15日に開いた会見だ。筆者も生中継で1時間きっちり見たが、これが米国に流れたらほとんど国辱ものだと思わず赤面した。 のっけから司会役の企画委員が持論を延々と語り、「気持ちが折れそうだったことは? 今だから語れる話を」とあか

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新聞エンマ帖〈報道にもの申す〉

★「誤報」の落とし前をつけろ新聞が特報風に書くことはまず間違いと疑ってかかる方が安全だ。うっかり真実と信じ込むと、後で馬鹿を見るのは読者の方である。そんな自己防衛策を講じなければならないほど、わけても政治報道における最近の誤報ぶりは酷い。 例えば、岸田文雄新首相の最初の仕事だった組閣人事と衆院選の投開票日の決定を巡る報道である。典型的な誤報を3例挙げると——。 ・「自民党の岸田文雄総裁は萩生田光一文科相を官房長官に充てる方針を固めた」(朝日新聞デジタルの速報、9月30日夕

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新聞エンマ帖〈報道にもの申す〉

★自民党の選挙広報紙かこの原稿を書いている時点では、まだ自民党総裁選の勝者は決まっていない。 だが、新聞と自民党との戦いで言えば既に、勝負あっただろう。派閥政治に頼れぬ乱戦ぶりを新聞にたっぷりと書いてもらい、衆院選に向けて、少し前まで菅義偉政権を苦しめた極度の不人気からV字回復を果たさんとする自民党の「圧勝」は揺るぎそうにない。 告示翌日の各紙の9月18日付朝刊を読めば、一目瞭然だ。政権擁護派の産経は致し方ないにしても、政権打倒派の朝日さえも、河野太郎、岸田文雄、高市早苗

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コロナ無責任報道を叱る 復活!新聞エンマ帖

政権叩き、擁護に利用した罪は重いコロナ下の新たな日常で困りもののひとつは、お籠り生活の中、仕方なく新聞を開きテレビに目をやる時間が増えてしまうことだ。晴れるどころか、さらに鬱々とした気分になるのは筆者だけではあるまい。 まるで駄々っ子の言い草だ。緊急事態宣言など強力な措置を求めておきながら、いざ実行されると経済活動が行き詰まるぞと当たり前の影響をあげつらう。思い悩めば後手だと叩き、結論を出すと拙速だと責め立てる。政権が社会を分断したと決め付けるが、そもそもは自分たち既存メデ

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発信力を早期に向上させるには?|塩野七生「日本人へ」

文・塩野七生(作家・在イタリア) コロナ騒動のおかげかテレビも新聞も見るようになったのだが、日本の実情が海外に正確に伝わっていないことに、あらためて危機感を抱く今日この頃。日本への理解度が低下した、などという水準ではもはやない。政治・外交・軍事・経済の各方面で、実害をおよぼす怖れすらある。 そう言うと返ってくるのは、だから日本からの発信力を高めるべきだという答えだが、どうやって高めるのか。発信力が弱いのは、われわれ日本側にだけ責任のあることなのか。なぜ、20年前まではまず

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