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皇室とパンデミック|磯田道史「感染症の日本史」

皇室とパンデミック|磯田道史「感染症の日本史」

国際日本文化研究センター准教授・磯田道史の「感染症の日本史」第6弾。100年前のスペインについては、江戸時代と比べるとはるかに精密な記録が残されている。今回、紹介するのは10代の皇太子であった昭和天皇や、弟宮の秩父宮、総理大臣・原敬のスペイン風邪感染から治癒までの経過である。 磯田氏 皇族の記録は詳細 100年前のスペイン風邪に、皇族や政治家が、どのように感染していったのか? 今号では、それを見ていきます。この頃になると、江戸時代よりも、はるかに精密な記録が残されていま

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保阪正康『日本の地下水脈』|疫病とファシズムの足音

保阪正康『日本の地下水脈』|疫病とファシズムの足音

昭和史研究家の保阪正康が、日本の近現代が歩んだ150年を再検証。歴史のあらゆる場面で顔を出す「地下水脈」を辿ることで、何が見えてくるのか。第一回のテーマは疫病とファシズム。明治以降、猛威をふるったコレラやスペイン風邪。日本の疫病対策は“軍事”に収れんする形で進んでいた。/文・保阪正康(昭和史研究家) 保阪氏 疫病の歴史的教訓を振り返る 明治以降の近現代史を振り返ると、日本という国家が形成される過程において、疫病との戦いがきわめて重要な意味を持っていたことがわかります。

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磯田道史「感染症の日本史」——「世界一の衛生観念」の源流を辿る

磯田道史「感染症の日本史」——「世界一の衛生観念」の源流を辿る

歴史家・磯田道史の「感染症の日本史」第3弾! 日本人は、世界でも類を見ないほどの衛生観念を持つ民族といわれる。実は、歴史を紐解くと、日本人と「疫病神」との間に、ある不思議な関係があった。/文・磯田道史(国際日本文化研究センター准教授) 磯田氏 『日本書紀』に記された疫病 実は、この国の天皇の王権も、伊勢の祭祀も、はじまりは疫病であった。今日(こんにち)、この国の人々は高い衛生観念をもつ。今回、新型コロナの波を乗り切るにあたっても、その力が大きかった。この不思議な国民の衛

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磯田道史「続・感染症の日本史」  新型コロナ“第2波”は秋冬にやってくる

磯田道史「続・感染症の日本史」  新型コロナ“第2波”は秋冬にやってくる

これまで終息しなかったパンデミックは存在しない。われわれがやるべきことは、歴史がすでに答えを出している。それをもとに、終息までのロードマップを描くべきだ。/文・磯田道史(国際日本文化研究センター准教授) 磯田氏 第1波がいつまで続くか 新型コロナの流行は、今後どうなるのか。歴史の経験から“終息までのロードマップ”のイメージを考えるのは、無駄ではありません。“新型=未知のウイルス”である以上、完全な予測は不可能ですが、過去の感染症の歴史は、やはり参考になります。 本稿執

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新型コロナウイルス「致死率2%」でも“医療崩壊” 最悪のシナリオとは?

新型コロナウイルス「致死率2%」でも“医療崩壊” 最悪のシナリオとは?

新型コロナウイルスの怖ろしい点は何か。それは「強い感染力を持つ」ということだ。一見、軽く見えても、同時に多数が感染すれば、“医療崩壊”をもたらしかねない。100年前、「外出・集会の一律禁止」で大流行を抑えたセントルイス市長の〝英断〟がいま日本にも求められている。/文・岡田晴恵(白鷗大学教授・元国立感染症研究所研究員) 岡田氏 大勢の感染で医療崩壊 いま日本は、重大な岐路に立っています。この数週間、場合によっては、この1〜2週間で(本稿執筆時点=2月28日から見て)、対応

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