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60万人を救った医師・中村哲さんがアフガニスタンに遺した「道」

60万人を救った医師・中村哲さんがアフガニスタンに遺した「道」

「水」を引いて60万人を救った人――昨年12月4日、アフガニスタンで武装勢力に襲われ命を落とした中村哲医師のことだ。中村医師が遺したものとは何だったのか。交友があるノンフィクション作家の澤地久枝さんがその功績を語った。/文・澤地久枝(ノンフィクション作家) バブルの余韻がある時代に  人間の体はこんなにも震えるものなのか――。  私が中村先生の訃報を知ったのは、朝日新聞記者からの電話でした。アフガニスタンで何者かに襲撃され、怪我をされたと聞かされました。命に別状はないと

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澤地久枝さんのおふくろの話。

澤地久枝さんのおふくろの話。

著名人が母親との思い出を回顧します。今回の語り手は、澤地久枝さん(作家)です。 言わなかった悔い  母は手さきの器用なひとだった。  そりかえる指を「まむし指」というが10本の指すべて「まむし指」で、指紋はすべてきれいに渦を巻いていた。  母の縫ったきものや洋服でわたしは育ち、就職後の20代もそうだった。  声のいい人だった、と思う。  1943年頃、戦争末期とは知らないまま、当時の満州で主食が配給になり、物資欠乏という実感が子ども心にもしみこんだ。御飯茶碗1杯以

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